晴れのち曇り、時々パリ

あまりに世界の現実を知らない祖国ニッポン蛙。温泉井戸の底で茹だってしまう前に、パリ在住の小言コウ兵衛の声を聞いとくれ。

世界各地で依然として続く未成年労働の実態 / 国際労働機関発表

2010-05-12 04:31:00 | 国際関係
日本は平和だ。

つくづくと感じる。

特に、昨今の国内の政争などをブログに書いていると、日本の市民の直面している困難など、次元が違いすぎて、我が表題通り<井戸の底の蛙>である事を痛感させられてしまう。



『世界で2億千五百万人の子供達が、依然働かされている』【ル・モンド5月11日】


日本で<就学年齢児童>の非就学率の調査が有るかどうか。

そんな調査など、考えられない。
非就学児童の数など、特殊なケースのみで、おそらく1%台ではないだろうか。


ITB(国際労働機関)の調査結果が発表された。


2008年に、世界で2億千5百万人の児童が、労働に従事している。

これは、実に世界の18歳未満の人口の<13,6%>に相当する。
(ちなみに2004年度は14,2%であった)

同機関は、2006年に「2016年までに未遷延労働の最悪の事態を終息させる」と言う目標を決めているが、実現には道は厳しそうだ。


事務局長のフアン・ソマヴィア氏によると。

「この目標値への到達速度は、遅々として鈍く、且つイレギュラーであり、我々が決めた目標に達するには、実に不十分なリズムである。」


ただ、今回多少の改善点も見られたそうです。

>少女の労働率の減少は明らかであり、ー15%に及んだ。
さらに、危険な職種での少女の労働率はー24%であった。

>5歳から14歳までの労働従事率もー10%の減少を見た。
さらに、危険職種においてはー31%の減少であった。


これらのプラスの結果に反して、<少年>の就労率は7%増加して1億2千7百70万人に及んでいる。

特に危険信号を発しているのは、<15歳から17歳の少年>の働いている率で、一挙に20%もの増加で6千2百万人にも及んでいる。


これらの、未成年の働かされている数の高いのは、やはりアジア太平洋地区で、1億1千3百万人以上の未成年がが労働に従事させられている。


さらに加えて、同機関が危機感を抱いている局面は、『サハラ以南のアフリカ』の現状で、4人に一人の児童が、<義務教育>の機会も与えられないまま、働いていると言う事実でる。

例えば、中央アフリカの『マリ共和国』では、実に2人に一人の子供が労働に従事させられている。

主な仕事の分野は、60%を占める農業であるが、サービス業も25%以上に及んでいる。


加えて問題とされる事は、これら<教育>を受ける機会を奪われて働いている子供達の、実に80%にも及ぶ数が、賃金を本人が受け取っていない、と言う事実である。


別の記事によると、モロッコではいまだに幼い少女の家政婦を雇う制度が根強く残っているとか。

中東イスラム諸国でも、ごく普通に見られる光景では有るのですが。

モロッコでは、5〜6歳で地方の家を出されて(要するに売られて行く訳です)ラバトやカサブランカ、マラケシュ等の都会へ女中として雇われる幼女が年に8万人くらい居るらしい。

彼女達は、早朝から深夜まで、文字通り<こき使われる>のです。

もちろん学校に意消せてもらえる訳でも無く、大人と同じかそれ以上に働かされる。

お小遣いを貰える訳も無く、働きが悪いと言っては殴られ、鞭打たれる。

そして、7〜8歳ともなると、頻繁に性的暴力の犠牲になっている。
働きが悪いと、15〜18歳くらいで、嫁に行かされる(つまり再び売られる訳です)。


湾岸諸国では、ドバイやジェッダなどの<陽の当たる>面しか話題にならないが、シンガポール等からの出稼ぎ少女達を、奴隷状態で奉公させている中産階級が数あるのが現実なのだ。

これは、それこそ<シンドバッド>の時代から、伝面と続く<伝統>なのです。


モロッコ政府挙げて、この手の<悪しき旧弊>を撲滅しようとの運動を強化して来た物の、数こそ減って来た物のいまだにこの有様だと言う。


これらの事実を前に、我が祖国を振り返ると、近年の<貧困率>や<自殺率>
の増加には、きわめて危機感を抱いて来た物の、『子供の権利』の尊守と言う点に関して見れば、日本は大変恵まれていると、つくづく思う。


有り難い事では有る。

とは言え、別の面で、やはり危機に瀕している事も、忘れてはならない。


つまり、豊かさ故の<精神>の荒廃とでも言おうか。

子供達の世界は、現実は残酷な物である。

では有る物の、昨今の<いじめ>の陰湿さは、聞くに堪えない物が有るようだ。

子供が子供を殺す。

親が子供を殺す。

子供が家族を殺す。

若い女性を襲って、殺す。

お年寄りを殺す。

ホームレスを殺す。


ああ。

書いていて、嫌になってしまう。

まるで、ゲームをリセットするかのごとく、簡単に命を奪ってしまう。

そして、精神の豊かさは顧みられる事が少なく、総ては<金銭>で判断される様になってしまった。

かつて、日本には「分相応」という感覚があった。

ほどほどがちょうど良く、程々で見なしあわせだった時代も有った。


その後、日本人は<一億総中流>意識となった。

猫も杓子も、家を買い、家が買えない若者は、せめて外車を持ち、ブランド品で身を飾り立てた。

誰しもが、経済状態は<永久に>不変だと信じ込まされていた。


その実、社会はしっかりと階級が存在しており、見えない所での階級の差は、実は越え難い程の物だったのだが、巧みにカモフラージュされて、実態は見えなかった。

やがてその実態が明らかになって来た。

一部の<支配層>は、その実態を特に隠そうともしなくなり、<競争社会>という言葉の免罪符で、弱者を平気で切り捨てる様になって行った。


落ちこぼれたのは、本人の努力の不足と<運>のせいであり、社会的に弱者を救済する必要は無い。

しべては自己責任。

働き詰めに働いて、結婚して一家を構えるに足る収入が得られない。
働きたいのに、仕事が無い。
仕事が無いので、部屋が借りられず、住所が無いので就職出来ない。



その一方で別の世界では、幼い子供達が、学校にも通えず、劣悪な労働環境の基に働かされている、と言う実態が有る。


しかし、私が訪れた、アフリカ諸国で、現地の子供達の目は輝いていた。

元気に溢れ、飛び跳ねていた。

1時間かけてバケツで汲みに行かねば水が無い生活。
電気も無い。
大人も子供も、数メートル四方の泥の家に暮らし、家の回りは泥水が流れる。

衛生状態はきわめて悪く、生活環境は過酷に見えた。


しかし、家族は怒鳴りあいながら暮らしていても、活気があり、最終的には幸せそうだった。



高学歴(単にペーパー・テストによる)のエリートが、国の予算を自由に操って、己の老後の生活環境を贅沢にする為にのみ働き、その為に税金の無駄遣いの限りを尽くす。

大多数の国民の実際の幸せに真摯に向き合うつもり等、彼らにはサラサラない。


そんな連中に操られて、何処やらの超大国に搾取され続けながら、納める税金の半分くらいはムダにこぼれ落ちて行く事を、特に注意も払わず、薄型テレビやクーラーやパソコンの囲まれて、<豊かな社会>だと信じきって生きて行く。


果たして、どちらが真に幸せなのだろう?


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コメント

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Unknown (Unknown)
2010-05-12 08:14:04
またコメント消してるのね。
やれやれ。

鳩山首相、姜尚中(カン・サンジュン)教授と赤坂の日本料理店で夕食

【午前】7時30分、松井孝治官房副長官。8時55分、官邸。9時3分、閣議。
50分、平野博文官房長官。10時16分、IT戦略本部。

【午後】0時53分、国会。1時3分、衆院本会議。2時30分、衆院環境委員会。4時46分、官邸。
49分、石井一民主党選対委員長。5時11分、イスラエルのリーベルマン外相が表敬。
41分、前原誠司国土交通相。7時9分、東京・赤坂の日本料理店「かさね」。
姜尚中東大教授、伴野豊民主党副幹事長、松野頼久官房副長官と食事。

東京・赤坂の日本料理店「かさね」
http://www5.nikkansports.com/general/gohan/gohan-20100511_95511.html
参考画像:姜尚中東大教授
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/24/9e1ae1effe5d608afad4db2a66232436.jpg

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