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【サッカー】俊輔 4年前の過ち繰り返さない2010年5月11日 紙面から
「選ばれたこと」は俊輔にとってほんの通過点に過ぎなかった。興奮や変な高ぶりはない。中村俊輔は淡々と話した。 「02年に悔しい思いをしているので選ばれなかった人の気持ちを背負ってやりたい。これはまだ通過点というか、ここからが大事。W杯はやっぱり特別というか難しい。ベストコンディションで臨むことがメンタル的にもフィジカル的にもいかに難しいか、1回やってることは大きい」 06年のドイツ大会の反省は、片時も頭を離れたことはない。素晴らしいチャンスを得ながら、チームは初戦を戦う前に空中分解していた。わが道を貫き通す中田英寿氏、レギュラーを外れた選手のあまりにも低いモチベーション。そんな選手たちのはざまで何もできず、自らも足のツメをはがし、体調も崩した。 「いろんなプレッシャーが毎日あった。試合も大事だけど、その前の雰囲気も大事。食事の時でもいい。トランプをしてる時でもいい。話し合ってチーム全体として一丸となれるかどうかが大事になる。W杯に向けて全員がそういう準備をしていくべきだ。そのためにいろんなことを犠牲にしてきたから」 そんな俊輔にGK川口の代表入りは大歓迎だった。「オレの師匠みたいな人だし、何よりサッカーへの取り組み方がすごい」と横浜M時代からの先輩にエールをおくった。 俊輔にとって忘れられないのは岡田監督との会話だったという。「初めて合流した時、個別で呼ばれて、岡田さんから本気でベスト4を目指してみないかと言われた。その残像がまだ残っている」。その残像を現実のものにするために俊輔はW杯に全精力を注ぐ。 (荒川敬則)
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