【コラム】「精神障害者」の芸能人がのさばる韓国(上)

 2010年上海エキスポの韓国館にある450席規模の常設ステージは常に、場所取りをする観覧客でごった返しているという。サムルノリ(韓国伝統の四つの打楽器を使った音楽)、フュージョンジャズと国楽、バレエとBボーイ(ブレイクダンサー)のダンスなど、レベルの高い公演が1時間おきに1日12公演行われている。

 ヒップホップのリズムに合わせ、妙技に近い動作で踊る「西洋の裏路地文化」ともいえるBボーイ公演が韓流の代表として紹介されるのは、やや異例に映るかもしれない。しかし、韓国のBボーイは世界的にその高い実力を認められている。7月には北京に、韓国のBボーイ専用の特設ステージが設けられる予定だ。

 韓国のBボーイが注目され始めたのは、2002年の世界大会で優勝してからだ。その後も、各種大会で好成績を収め、政府と企業がわれ先にとスポンサーに名乗りを上げる中、Bボーイ専用劇場も登場した。韓国観光公社がBボーイを広報大使に任命するほか、専門学校が「Bボーイ教授」を招いたりもした。「学業をあきらめた問題児」だったBボーイたちが、一日15時間を超えるハードな練習を重ね世界の頂点に立ったという下積み時代の話は、各種講演や訓話に引用された。人気Bボーイのブログの会員が数万人に達するほど、底辺が広がっていった。

 だが先週、精神病を装って兵役を免れた人気Bボーイ・グループのメンバーが摘発された。同グループの公演は2006年、韓国観光公社の6大文化商品に選ばれたほか、08年には文化体育観光部長官賞を受賞した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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