【コラム】南北の労働力輸出の相違点(下)

 北朝鮮も30-40年前の韓国のように海外に人材を派遣し、ドル資金を稼いでいる。しかし、北朝鮮の経済が一向に改善しないのはなぜか。

 1964年に朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が西ドイツの炭鉱を訪ねた。そこには外貨稼ぎを目的として働く韓国人の鉱山労働者や看護師がいた。朴大統領の前で、愛国歌(韓国国歌)を歌った彼らは、最後まで歌いきれず泣き崩れた。すると、国民を鉱山労働者、霊安室担当の看護師として派遣した貧しい国の大統領夫妻も彼らと共に泣いた。1963年から77年まで、西ドイツに鉱山労働者7万9000人、看護師1万人が派遣された。そして韓国政府は、これら労働者の月給を担保に借款を確保した。

 金正日(キム・ジョンイル)総書記が最近、3泊4日の日程で中国を訪問した。最高級のベンツに乗り、面積750平方メートルの高級ホテルのスイートに泊まった。数年前にはロシアも訪れたが、金総書記が中国やロシアで必死に外貨を稼ぐ北朝鮮の労働者に会いに行ったという話は聞かない。

 同様に労働力を輸出した韓国では、大統領が見知らぬ土地で働く国民と共に涙を流し、彼らが稼いだ資金で産業発展に投資を行い、造船所や製鉄所を建設した。だが、これとは対照的に、金総書記と党幹部は労働者が汗水流して稼いだ外貨を独占し、北朝鮮の住民はそのカネがどこに使われているのかも知らない。これこそが南北の違いだ。

李陳錫(イ・ジンソク)経済部政策チーム長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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