開城工団:北の外資誘致責任者が極秘視察

金総書記訪中の二日前

中国と香港の投資家も同行

 北朝鮮が外資誘致の窓口として設立した大豊国際投資グループのパク・チョルス総裁が、今月1日午前中に中国や香港の投資家15人ほどを引き連れ、開城工業団地を極秘に訪問していたことが10日に確認された。

 韓国政府と開城工団の関係者が明らかにしたところによると、一行は同工団に進出している2-3社のほか、浄水・排水施設などを視察し、その日のうちに引き返した。パク総裁と同じ名前の、中央特区開発指導総局(開城工団を管理)パク・チョルス副総局長が、視察団一行の案内を担当したという。北朝鮮は外資誘致や工団開発などを目指し、朝鮮族実業家のパク・チョルス氏を今年1月に大豊グループ総裁に突然任命した。大豊グループの理事長は、今回の金正日(キム・ジョンイル)総書記訪中に同行した金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党統一戦線部長だ。パク総裁は、北朝鮮が国際金融取引を行うために新たに設置した国家開発銀行の副理事長でもある。

 金総書記の訪中(3-7日)を二日後に控えた時期に行われたパク総裁の開城工団視察について、企業銀行経済研究所のチョ・ボンヒョン博士は、「北朝鮮が新義州などに中国と合弁で工団建設を進めているという話を聞いたことがある。中国資本と北朝鮮の労働力を組み合わせることが可能ということを示すために、中国の投資家を引き連れ、開城工団を訪れたのではないか」と述べた。一方で韓国政府筋は、「哨戒艦『天安』の沈没事故が北朝鮮の仕業だという明確な証拠が出れば、開城工団も安心できなくなるだろう。北朝鮮は開城工団の閉鎖などに備え、中国の投資家に開城工団を見せたのかもしれない」と述べた。韓国企業が開城工団から撤収した場合、中国資本がそれらの施設を利用する可能性もあるということだ。

アン・ヨンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る