金総書記訪中:宴席の配置に見る「北朝鮮の序列」
やはり張成沢氏は実力者、肩書きより高い「上席」に
金総書記・金永春氏に続き3番目
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記による今回の訪中で、北朝鮮の実勢を握る側近中の側近はやはり、張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党行政部長であることが分かった。金総書記の義弟に当たる張成沢氏は5日、中国の胡錦濤国家主席が主催した歓迎夕食会をはじめ、各重要行事で自身が持つ肩書きよりも上席に座っていたことが確認された。
7日に中国国営中央電視台(中央テレビ、CCTV)が公開した夕食会の様子を見ると、円形テーブルの最上席には金総書記と胡主席が並んで座り、その左右には側近たちが序列順に交互に座っていた。最上席から遠くなるほど序列が下がるということだ。
張成沢氏は、序列第2位の席に座った金永春(キム・ヨンチュン)人民武力部長に続き、第3位の席に座った。姜錫柱(カン・ソクチュ)第1外務次官(第4位席)、崔泰福(チェ・テボク)朝鮮労働党書記(第5位席)、金己男(キム・ギナム)同党書記(第6位席)よりも上席だった。そして、以下は金永日(キム・ヨンイル)朝鮮労働党国際部長、金養建(キム・ヤンゴン)統一戦線部長、朱奎昌(チュ・ギュチャン)軍需工業部第1副部長、咸鏡南道のテ・ジョンス同党責任書記、チェ・ビョングァン駐中国北朝鮮大使の順だった。
この夕食会の翌日に行われた金総書記と中国の呉邦国・全国人民代表大会(全人大)常務委員長(序列第2位)の会談でも、張成沢氏は金永春氏に次ぐ席に座った。以下、姜錫柱、金永日、金養建の各氏が続いた。
外交通商部の当局者は、「首脳会談時の座席配置は両国間の綿密な合意によるもの。通常、主催国が決めた配置を訪問国が受け入れる形で決定する」と説明する。まず、中国が張成沢氏を金総書記や金永春氏に続く「ナンバー3」と見なし、北朝鮮もこれに異議を申し立てなかったということだ。
本来、北朝鮮の党部長は党書記よりも序列が低い。北朝鮮の各メディアは、金総書記の随行員の氏名を呼ぶとき、張成沢氏を崔泰福氏や金己男氏より後に呼ぶ。今回の金総書記訪中報道でも同様だった。
ところが、5日の夕食会の座席配置は、「北朝鮮での権力は形式的序列関係だけで説明できない」(キム・ヨンヒョン東国大学教授)ことを示している。中朝関係での比重や、金総書記との親しさのほうが、権力に大きな影響を及ぼすという意味だ。
治安政策研究所のユ・ドンヨル上級研究官は「形式的には党部長は党書記より低いが、行政部長は北朝鮮の公安・治安・司法を総括する絶大的な地位。張成沢氏が最高権力機関である国防委員会の委員だということも考慮されたのだろう」と話している。
李竜洙(イ・ヨンス)記者
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