哨戒艦沈没:複数の左派団体が遺族会に接近
政府への抗議活動に向けた協力呼び掛け、反政府闘争を扇動
遺族らは拒否
哨戒艦「天安」の沈没事故後、一部の左派団体などが犠牲者46人の遺族らに接近し、反政府活動をあおろうとしていたことが分かった。ある遺族は10日、「聞いたことのない名前の五つほどの左派団体関係者が何度か訪ねてきて、政府との闘争を提案してきたが、拒絶した」と述べた。天安事故戦死者協議会のナ・ジェボン、イジョングク代表が遺族らの意向をまとめて執筆し、今月7日に鄭正佶(チョン・ジョンギル)大統領室長を通じて李明博(イ・ミョンバク)大統領に送られた手紙にも、「(天安沈没事故後は)息苦しいほどつらい選択の連続だった。そのような中、わたしたちを利用しようとする提案や誘惑も少なくなかった。犠牲となった将兵たちの名誉と家族たちの真意が歪曲(わいきょく)されないようにするため、これら(の提案や誘惑)を断固として拒絶した」という内容も含まれていた。
大統領府は10日、遺族から送られた手紙を公開する際、「手紙には、遺族を利用しようとする動きにも言及されていたが、遺族からの求めでこの部分については公開しないことにした」と発表した。
また、政府が提供する補償金や国民からの寄付を狙い、遺族たちに接近を試みた団体も10以上に上ることが分かった。ある遺族は「デモ関連死亡者遺族会の会員と名乗る人物が訪ねてきて、“われわれは補償金を勝ち取った経験があるため、協力して問題を解決しよう”と持ちかけてきた。補償金をより多く受け取ることができれば、一部を回してほしいという要求もあった」と明らかにした。
手紙の中で遺族らは、犠牲となった将兵たちの告別式に李大統領が直接出席したことについて、「将兵全員に一人ずつ勲章を授与し、遺族を慰めてくださったことに心から感謝したい」と伝えた。さらに「(李大統領は)犠牲者が最後の眠りにつくまで細かく配慮し、国家次元での最高の礼遇と支援を惜しまなかった」とも評した。
遺族らは責任追及の動きが出ている軍への激励も求めた。手紙で遺族らは、「第2艦隊司令部や海軍のすべての将兵らが、今回の事故に衝撃を受けており、そのため必勝の心意気を失ってしまわないか、非常に懸念している。海洋国家建設の土台となる強大な海軍へと生まれ変われるチャンスと力を与え、激励するようお願いしたい」などと述べた。
手紙を受け取った李大統領は、「46人の勇士の遺族らしい成熟した態度だ。必ず返事を書きたい」と述べたという。これについて大統領府(青瓦台)の朴先圭(パク・ソンギュ)報道官は、「李大統領はすべての遺族に個別に返事を書くだろう」とコメントした。
黄大振(ファン・デジン)記者
キム・ガンハン記者
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