「韓国併合条約は義に反し不当、当初から無効」

韓日両国の知識人214人が共同声明発表

 日本による韓国併合から100年を迎えるのを前に、韓国と日本の知識人214人が、「『韓国併合条約』は義に反する不当なものであり、当初から無効だった」と宣言する共同声明を発表した。

 韓国の知識人109人と、日本の知識人105人は10日正午、ソウル・太平路の韓国プレスセンターと、東京の日本教育会館でそれぞれ記者会見を開き、「『韓国併合』は、大韓帝国の皇帝から民衆に至るまで、すべての人たちの激しい抵抗を軍隊の力で抑えつけて実現させた、文字通り帝国主義的な行為であり、義に反する不当な行為だった。(韓国併合)条約は前文も本文もうそで塗り固められた内容であり、条約締結の手続きや形式にも重大な欠点、欠陥が見られる。『韓国併合』に至る過程が、義に反する不当なものだっただけに、『韓国併合条約』もまた義に反する不当なものだった」と宣言した。

 また、1965年に締結された「韓日基本条約」の第2条で、「1910年8月22日およびそれ以前に締結されたすべての条約および協定は、すでに無効だ(already null and void)」とした部分に対し、韓日両国の解釈の違いが見られることについて、「これまで明らかになった事実や、歪曲(わいきょく)のない認識に立脚して検証すれば…韓国側の解釈を共通の見解として受け入れなければならない」と主張した。

 日本政府はこれまで、この条項について、「併合条約などは、対等の立場で、自由な意思によって締結されたものであり、締結当時から効力が発生していたが、1948年の大韓民国の成立によって無効になった」と解釈してきた一方、韓国政府は「過去の日本の侵略主義がもたらした、義に反する不当な条約は、当初から違法、無効なものだった」と解釈してきた。

 共同声明はまた、「今や日本でも、新たな正義感に立脚し、侵略や併合、植民地支配という歴史を根本から反省する時代が到来した」と主張した。これに関し、今回の共同声明の韓国側の責任者である、柳韓大のキム・ヨンホ総長は「今回の知識人による共同声明が大きな流れを形成、両国の首脳による共同宣言が発表されることに期待する」と述べた。

 韓日両国の知識人による共同声明は、昨年12月から約5カ月にわたって議論を重ね、双方の案を5回にわたってすり合わせ、合意にこぎ付けた。今回の共同声明には、韓国からは詩人の高銀(コ・ウン)、金芝河(キム・ジハ)両氏、世界平和フォーラムのキム・ジンヒョン理事長、ソウル大の白楽晴(ペク・ナクチョン)、李泰鎮(イ・テジン)両名誉教授、梨花女子大のシン・ヨンハ碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)、小説家の李文烈(イ・ムンヨル)氏、本紙の姜天錫(カン・チョンソク)主筆、ハンギョレ新聞の高光憲(コ・グァンホン)社長らが署名した。一方、日本からは責任者を務めた東京大の和田春樹名誉教授、ノーベル文学賞を受賞した作家の大江健三郎氏、東京大の坂本義和、三谷太一郎両名誉教授、宮崎勇元経済企画庁長官らが署名した。

李漢洙(イ・ハンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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