金持ちが消える日本、高所得層の没落
日本から金持ちが消えている。金持ちの減少は消費市場の回復を阻み、日本経済を長期不況に陥れる原因として指摘されている。しかし、不況やデフレ、低金利、財政問題、少子高齢化が複雑に絡み合って起きる現象だけに、政財界や学識者は適切な解決策を見いだせずにいる。
10日付日本経済新聞は、第一生命経済研究所の資料に基づき、年収1500万円以上の日本人が2000年から09年までの間に30%減少したと報じた。高所得者に分類される年収1000万-1500万円の上流層も19%減った。また、中産層に当たる年収800万-900万円の所得世帯が減少率18%で続いた。昨年の日本の1世帯(家族2人以上の勤労者世帯)の平均所得は621万円だった。収入が多い世代ほど減少幅が大きいことが分かる。一方、年収200万-400万円の層は同じ期間に50%以上増えたという。
日本で貧富の差が拡大しているのはすでに公の事実だ。1960年代の高度成長期に生まれた「1億総中流」という言葉は、2000年以降通用しなくなっている。日本政府は昨年10月、日本の相対的貧困率(収入が中間層の所得の半分に満たない国民の比率)が15.7%だと発表した。経済協力開発機構(OECD)の加盟国でメキシコ、トルコ、米国に次いで4番目に高い数値だ。しかし、富裕層を含む中産層以上がどれだけ減少したかについては、これまで数値が明らかになっていなかった。
同紙は不況とデフレによる賃金構造の変化を原因として挙げた。勤続期間が長いほど賃金が上がる年功序列制が崩壊し、中流層が上流層にシフトするケースが減少したのだ。2000年には50-54歳のサラリーマンの年収が25-29歳よりも2.2倍多かったが、09年にはその差が1.8倍に縮小した。さらに1%に満たない低金利、90年代以降低迷する株価や地価などで、月給以外に収入を増やす手段がなくなったことも背景となっている。一方、高齢化でまともな現金収入がない高齢者世帯が急増し、中流以下の世帯が爆発的に増えている。
日本の消費市場の縮小は深刻だ。自動車の新規登録台数は00年の405万台から09年には292万台へと減少した。特に高級車の比率が高い輸入車の登録台数は同じ期間に27万台から19万台へと減少した。こうした中、ユニクロ、マクドナルドなど低所得世帯をターゲットにした薄利多売型の企業が、業種を問わず大きく成長している。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
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