●FULLCONTACTと伝統空手
極真空手による新ルールは1980年代初期まで、俗に「実戦ルール」また「直接打撃制」などと呼ばれていた。「月刊空手道」には古い流派から極真空手を「実戦空手」と呼称することに多くの疑問やクレームがつけられていた。
そんな中で、「BLACK BELT」や「OFFICIAL KARATE」など武道雑誌に度々掲載されていたキックボクシングや北系テコンドーなどグローブを着用しての顔面殴打を認める試合ルールが「FULL CONTACT」と記載されていた(北系テコンドーはノックダウン制でないため、時にLIGHT CONTACTとも呼ばれていた)事実を知った小島は、スタイルの違いは別にして「KO=ノックダウンによって勝敗を決する」という共通項から、極真空手のような顔面殴打禁止の直接打撃制試合ルールを初めて「フルコンタクト空手」と命名した。
また古い空手流派から頻繁に出ていた「我々の試合を寸止めと呼ぶのは冒涜だ」という不満に対し、つまり「フルコンタクト空手」の対称的な空手を「伝統空手」と呼ぶことを当時の上司に提案。だが、「伝統」という言葉自体に古くて遅れている…との意見も多く、この案はボツになりかけた。
ところが小島の同僚であった山田英司氏(編集者)が再び小島をフォローする形で、「伝統」という言葉にある正当性や古式的な風合いなどプラス的な要素を羅列、最終的に過去「寸止め空手」と呼ばれていた古い空手流派に対して「伝統空手」という呼称が根付くことになる。
その意味では「フルコンタクト空手」は小島の発案だが「伝統空手」は小島と山田氏の共作または山田氏の発案とも言えるだろう。
現在、極真系空手の稽古では「組手」と「sparring」に分ける道場が一般的である。sparringの際に「FULLではなくLIGHTまたはSKIN CONTACTで!」などと言う風景も珍しくない。
打撃の強さによって、「FULL=思い切り」「LIGHT=軽く」「SKIN=触る程度に」と分けているのだが、これらも「FULLCONTACT」という名称あっての発展形とも考えられる。
※エピソードは今後も増やしていきます。
極真空手による新ルールは1980年代初期まで、俗に「実戦ルール」また「直接打撃制」などと呼ばれていた。「月刊空手道」には古い流派から極真空手を「実戦空手」と呼称することに多くの疑問やクレームがつけられていた。
そんな中で、「BLACK BELT」や「OFFICIAL KARATE」など武道雑誌に度々掲載されていたキックボクシングや北系テコンドーなどグローブを着用しての顔面殴打を認める試合ルールが「FULL CONTACT」と記載されていた(北系テコンドーはノックダウン制でないため、時にLIGHT CONTACTとも呼ばれていた)事実を知った小島は、スタイルの違いは別にして「KO=ノックダウンによって勝敗を決する」という共通項から、極真空手のような顔面殴打禁止の直接打撃制試合ルールを初めて「フルコンタクト空手」と命名した。
また古い空手流派から頻繁に出ていた「我々の試合を寸止めと呼ぶのは冒涜だ」という不満に対し、つまり「フルコンタクト空手」の対称的な空手を「伝統空手」と呼ぶことを当時の上司に提案。だが、「伝統」という言葉自体に古くて遅れている…との意見も多く、この案はボツになりかけた。
ところが小島の同僚であった山田英司氏(編集者)が再び小島をフォローする形で、「伝統」という言葉にある正当性や古式的な風合いなどプラス的な要素を羅列、最終的に過去「寸止め空手」と呼ばれていた古い空手流派に対して「伝統空手」という呼称が根付くことになる。
その意味では「フルコンタクト空手」は小島の発案だが「伝統空手」は小島と山田氏の共作または山田氏の発案とも言えるだろう。
現在、極真系空手の稽古では「組手」と「sparring」に分ける道場が一般的である。sparringの際に「FULLではなくLIGHTまたはSKIN CONTACTで!」などと言う風景も珍しくない。
打撃の強さによって、「FULL=思い切り」「LIGHT=軽く」「SKIN=触る程度に」と分けているのだが、これらも「FULLCONTACT」という名称あっての発展形とも考えられる。
※エピソードは今後も増やしていきます。