近年、Netの世界ではHPや個人サイト等に対する「荒らし」と呼ばれる誹謗中傷や名誉毀損が平然と野放し状態になっています。更には殺人予告など悪質性のエスカレート現象が社会問題となっております。
それらは当然、犯罪行為なのですが、Net上における他人のコラムや写真などの無断転載(著作権侵害罪、肖像権侵害罪に相当します)の氾濫についても何ら対策を講じようとしなかった各プロバイダも最近では警察の指導の影響からか自主規制に向けてようやく重い腰を上げたのが多少の救いと言えるでしょう。

しかし、そのような規制強化・改善の流れの中で唯一無政府または治外法権状態にあるのが俗に「wikipedia」と呼ばれるジャンルです。現在も活動中の著名人に関する多くのwikipediaを見れば、その荒れ様は明白です。
「Net界の百科辞典」を謳いながら、その現実は何ら規制らしい規制もなく、誰もが自由にwikipediaを編集可能という事実。対象となる本人への確認も一切なく、ともすれば読者の偏見、ひいては悪意に満ちた内容でさえ容易に掲載されてしまう事実。そのジャンルに関して当人のスタンスが中立か否かの確認もなく、単に特定の条件を満たした者が容易にwikipedia編集者に採用され、内容に対するクレームに対する是非の判断の殆どが彼らに託されている…事実。
現在のwikipediaは内部が腐れ果て、外部からの侵入者の悪意にも気づかない末期的症状に陥っていると断言しても過言ではないでしょう。
これで内容の「公平性」が保てるのでしょうか!?
唯一彼らが取る「荒らし」への対抗手段は、最大で期限付きの書き込みロック。後は言葉だけの言い訳しかありません。
「以下の内容の真実性については現在、編集者で協議中です」
「内容が全て正確とは保証出来ません」
賎しくも「百科辞典」を標榜する機関が「記述内容の真偽に対して保証出来ない」と公言しているのです。にも拘わらず何故、そんな真偽不明の内容を堂々と公開するのでしょうか?
wikipediaにて扱われた本人(当事者)がクレームをつけようにも機械的な作業を延々と繰り返し、しかしそれでも編集者の合意がないと変更も削除も出来ないという現状。ましてやそれらの作業はPCでなければ不可能という。PCの扱いに慣れていない者にはまさに「泣き寝入りをしろ」と突っはねているのも同然です。
自らの正当性を主張する目的で以下のような断り書きが掲載されているのも良識を疑わざるを得ません。
「最初は事実でなくとも編集者たちの努力によって必ずや正確な内容に近づいていくことをご理解下さい」
芸能人、文化人等の著名人のwikipediaを試しに幾つか見て頂ければ一目瞭然です。必ず前記したような「内容は事実とは言えない」といった逃げ口上が巻頭に掲載されている物に遭遇するでしょう。
wikipediaの最大の罪は「Net界の百科辞典」を標榜しつつ、事実とは認定不可能な内容であっても、無責任な断り書きを掲載するだけで放置し、また本人(当事者)への確認が一切為されないという点、更には本人(当事者)であってさえ「事実と異なる誹謗中傷」と訴えても削除が容易ではないという部分にあります。
また「Net界の百科辞典」というキャッチフレーズを信じる人たちが他のHPや掲示板より圧倒的に多いという現実が更なる深刻さを生んでいるのです。普通ならば、まさか「百科辞典」の内容が嘘だらけとは思わないでしょう。疑うことさえないでしょう。

私はNetを殆ど見ない主義ですが、たまたま5年振りに自らのwikipediaを覗いて愕然としました。まるで他人の事では!? と疑い、卒倒する程に事実誤認の羅列に驚きました。その背景には明らかな悪意が感じられました。
PCに疎い私には為す術がありませんでした。結果的にすがる思いで顧問弁護士に相談するしかなかったのです。弁護士は内容を一瞥しただけで「名誉毀損罪で法的手続きに入るのに十分な案件だ」と驚き呆れました。




こうして、この度私はwikipedia(他のプロバイダも含む)に対して刑事告訴及び民事訴訟を起こす事を決意し顧問弁護士を法的代理人に立てる決定に至ったのです(2010年4月)。

また虚偽と誹謗中傷にまみれたwikipediaに対抗すべく、こうして顧問弁護士や後援者、更にはNet被害を守る事業団体の勧めと監修のもとに私版ながらも「事実のみを掲載するwiki辞典」を公にする事にしたのです。
ちなみに、タイトルに「wiki」とつけたのは、せめてもの対抗心と皮肉によるものだと理解して下さい。