2010.5.11 05:00
トヨタは各国政府の新車買い替え補助など支援策の追い風に販売台数を上積みした。国内ではハイブリッド車(HV)「新型プリウス」の投入や、高級車ブランド「レクサスHS250h」、その兄弟車「SAI(サイ)」の売れ行きも好調だ。出遅れていたエコカー減税対象車も昨夏以降、積極的に増やし、09年度のプリウスの新車販売は27万7485台と、HVとして初めて年度ベースで首位に。ダイハツ工業、日野自動車を含むグループ3社の世界販売台数も、前年度比2.3%減の約813万9000台まで持ち直したようだ。
「お家芸」徹底したコスト削減が奏功
増益に最も寄与したのは、原価とコスト削減だ。期初のトヨタ単体の09年度世界生産台数見込みは620万台で、「700万台を切っても利益が出る体質へ転換したい」(トヨタ幹部)と、重要課題として取り組んだ。
トヨタは「乾いたぞうきんをさらに絞る」ことで、徹底して無駄を省いた。例えば、部品メーカーと一体となり、シート材料など部品共通化と軽量化を徹底。また、出張・残業の自粛、広告宣伝費のカットを含めた固定費も大幅に削減。これらにより10年3月期だけで1兆5000億円を超える収益改善効果が出たもようだ。