2010.5.11 05:00
一昨年秋からの世界同時不況に伴い2009年3月期連結決算で巨額の営業赤字に陥ったトヨタ自動車が、わずか1年で劇的なV字回復を成し遂げそうだ。ブルームバーグが10日までに集計したアナリスト予想によると、11日に発表されるトヨタの10年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が438億円の黒字(前期は4610億円の赤字)と約5000億円の驚異的な上積みを果たしそうだ。販売台数の上振れと、“お家芸”の原価低減、コスト削減の成果が寄与した。日本を代表するトヨタの業績急回復は、国内全体の景況感にも好影響を与えそうだ。
アナリストの10年3月期連結決算の平均値は、売上高が前期比9.8%減の18兆5101億円、最終損益が1242億円の黒字(前期は4370億円の赤字)の減収増益だ。目標だった11年3月期の黒字転換を1年早く実現する。大規模リコール(回収・無償修理)問題に伴う費用は当初、約1800億円と見込んでいたが、米国などの報道沈静化で大幅な追加負担は避けられたとみられる。一部のアナリストは「営業黒字は1000億円規模に達する可能性もある」とさえ指摘する。