小沢幹事長ニンマリ　国民的スター“一本釣り”

記者会見を終え、谷亮子氏に席を立つよう促す小沢幹事長。背後のパネルは谷氏のイメージに合わせ急きょ作製された Photo By スポニチ

　激しいフラッシュがたかれる中、谷氏を先導して会見場に入った小沢氏。「谷亮子さんがこのたび出馬を決断してくださり、百万千万の味方を得たような気持ちで大変うれしく、心強く思っている」と満面の笑みであいさつした。

　約２００人の報道陣が詰め掛け、テレビカメラ用の特設台が設置されるなど会場は熱気に包まれた。注目度の高さに小沢氏も上機嫌の様子で、何度も笑顔を見せた。

　民主党は参院選を控え、米軍普天間飛行場移設問題の迷走や、鳩山由紀夫首相や小沢氏の「政治とカネ」の問題などで、内閣や党の支持率低迷が続く厳しい情勢。勝敗の鍵を握る浮動票を獲得するため、今回は五輪銀、銅メダリストの元体操選手池谷幸雄氏や女優の岡崎友紀氏、落語家の桂きん枝氏ら各界からバラエティーに富んだ候補をそろえた。中でも谷氏は「超ど級の有望株」（党幹部）。抜群の知名度を誇るため「小沢ガールズ」の目玉とする意向だ。

　小沢氏は「目標に向かって全力で立ち向かっていく、そういう生きざまが今日の日本の社会で希薄になっている。谷さんの精神を、政治を通じて日本国民に広く培っていただきたい」と期待。谷氏は２人の子育てをしながら現役を続行しており「厳しいスケジュールの中、子育てを他人任せでなく自らやっている姿を垣間見て大変感動した。日本の社会、未来の原点がここにある。政治の場でさらに活躍していただきたい」と賛辞を贈った。

　党選対関係者は「子育て政策を訴えるにはうってつけ」と谷氏に期待するが、「政治とカネ」問題に対する世論の批判は強く、民主党が逆風をはね返せるかは不透明だ。

[ 2010年05月11日 ]