水俣病不知火(しらぬい)患者会(熊本県水俣市、大石利生会長)が国と熊本県、原因企業チッソに損害賠償を求めている訴訟で会員377人が30日、熊本地裁に追加提訴をした。同地裁への提訴はこれが最後で原告は計2500人となり、国などと基本合意した和解案に基づく救済を目指す対象者が確定した。
提訴したのは熊本、鹿児島両県などに住む30~90代の会員。請求額は和解案の内容を考慮し、従来の850万円から330万円に減額した。園田昭人弁護団長は救済対象者について「水俣病被害者救済特別措置法では加害責任がある行政が判定するが、和解案では第三者委員会が決める」と、裁判による解決の意義を強調した。【遠山和宏】
毎日新聞 2010年5月1日 東京朝刊