投資の世界にいると、安愚楽牧場の話題は避けて通れません。和牛商法で多くの被害者が出てきたという問題もあり、常に疑いの目を向けられる会社です。
shasaiwatchも安愚楽牧場のことはずいぶん調べました。年利3%〜4.2%という投資商品はなかなかないですからね。で、調べて分かったことは、結局詐欺なのか投資なのか分からないということでした。
まず、どういう投資スキームなのかというと、投資家が募集に応じて安愚楽牧場に資金を払い込み、安愚楽牧場は資金をもとに雌牛を購入します。その雌牛に種付けをし、生まれた子牛の売却代金と母牛の売却代金で金利の支払いと元本の返済をするという仕組みです。
金融商品取引法ではなく預託法という法律に基づいて行われているファンドです。預託法は和牛商法や豊田商事などの現物まがい商法の氾濫を受けて作られた法律です。内容についてはレバレッジ・インカムというサイトで解説されており、非常に分かりやすいのでこちらをご参照ください。このサイトが平成電電を大々的に宣伝していたという大変残念な過去があることはおいといて、解説だけはまともです。なお、クーリングオフの対象であり、クーリングオフ期間経過後もいつでも10%の手数料を払えば解約できます。
ここで問題になるのは、ファンドは何に投資をしているのかということですが、ファンドは実質的には株式会社安愚楽牧場に融資をしています。預託法の趣旨と当社の実績から見て、子牛が生まれなかろうが母牛が死のうが安愚楽牧場は元利金の返済義務を負っており、事実そのように安愚楽牧場も行動しています。倒産隔離等の措置は取られておらず、安愚楽牧場の倒産によってファンドもあぼーんしてしまうことは確実でしょう。
となれば、監査証明付きの決算報告書を公開するのが当然だと思うのですが、悲しいかな公開はされていません。農業ファンドには非常に興味があるのですが、金融に疎い人が多いのでなかなかこうした分野への投資は勧められません。非常に残念です。
これから発行される予定の個人向け社債一覧
2010年02月07日
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私は分からないものは買わない主義なので、
ウシだとか米だとか、それでどうやって利益を挙げるのか?
自分で理解出来そうにないものは初めから無視してますが、
大したものです。