鳩山由紀夫首相は11日、米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、今月23日にも沖縄県を再訪問し、仲井真弘多県知事と会談する方針を固め、県側に打診した。会談では、キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)の沖合にくい打ち桟橋(QIP)方式を軸に代替施設を建設する政府原案を説明し、理解を求める考え。沖縄県側の反対姿勢が強く、5月末決着は事実上断念しているが、努力の姿勢を示す狙いがあるとみられる。
これに関し、北沢俊美防衛相は午前の記者会見で、移設問題に関し「大きな枠組みをつくり、その中でどの程度のものが解決できて、どの程度のものが5月末以降も協議していくかというのは当然出てくる」と述べ、5月末までの決着方針の断念を事実上認めた。
同時に「決着の姿をどう見るかという話であり、その後にまだ交渉事が残るのは仕方ないことだ」と指摘。「全部クリアできれば一番良いが、少なくとも連立政権だから連立与党の合意は早急にやらなくてはいけない」と強調した。
政府が10日にまとめた移設原案については「沖縄の負担軽減をどういう形で実現していくかについて、枠組みをほぼ合意した」と明らかにした。
一方、首相は普天間問題をめぐり12日にワシントンで開く予定の日米実務者協議について「アジアの今日的な状況の中で日本の国益、世界の平和と安定のためにしっかりと議論してもらう」と記者団に述べた。
沖縄再訪問について首相は当初、15日を検討したが、沖縄の本土復帰記念日に当たり、反発が出る恐れがあるとして見送った経緯がある。