*MS-IME補強計画*
1,初めに
 2,学習させよう 3,辞書のメンテナンス 4,単語/用例の登録 5,変換トレーニングウィザード 6,品詞 7,ユーザー辞書 8,MS-IME2002のかな漢字変換の仕組み システム辞書の利用方法

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3、ユーザー辞書をメンテナンスしよう!



 


※以下の説明は『Microsoft IME Standard 2002』での説明ですが、『Microsoft IME Natural Input 2002』でも、基本的にはそのまま流用できます。(ヘルプの内容の、変換方法などが異なるだけで、そのほかは変わりません。)
※このサイトを見ながら、【言語バー】を操作しようとするとき、うまく反応しない場合は、このサイトの画面を小さくし、デスクトップをいったんクリックし、ウェブブラウザーをアクティブではない状態にすると、言語バーの操作がうまくできると思います。


このページの内容
 第1回 ユーザー辞書の中を見てみよう!
 第2回 品詞を変更しよう!
 第3回 おかしな単語は捨ててしまおう!
 第4回 〔修復〕ってナーニ?




☆☆☆  第1回 ユーザー辞書の中を見てみよう! ☆☆☆


(1)「IME 辞書ツール」を使ってユーザー辞書に登録された単語を見ることができます。
 「IME 辞書ツール」の起動方法はいくつかあります。単純に中身を見るだけなら、「IME ツール バー」の  BMP79B.gif(ツール) をクリックし、[辞書ツール] を選択する方法が一般的だと思います。
  ※他の方法を知りたい方は、【言語バーのヘルプ→Microsoft IME スタンダード2002→目次とキーワード】から、ヘルプを起動して、ご覧下さい。
  ※以下の図はカスタマイズした筆者の環境での図をコピーしたものも含まれていますのでWindows標準とは色合いが異なっているものもあります。

BMP79A.gif

           ※『Microsoft IME Natural Input 2002』では、赤枠の部分が、青い色のボタンになっています。
             BMP4.gif


(2)【辞書ツール】を選択したら、下図のように「Microsoft IME辞書ツール」のウインドウが開いて、現在使用中のユーザー辞書の中を見ることができます。
      ※単語を自分で登録したことがない方はこの段階では、何も見ることができません。ユーザーが手作業で登録した単語のみ見ることができます。
  次に、【ツール】をクリックします。

  BMP7AF.gif


(3)ツールをクリックしたら【抽出】を選択します。

  BMP7B2.gif


(4)「抽出」というウインドウが開いたら、学習単語にチェックを入れて(四角の枠の中をクリックすると、四角の中にチェックが入ります)、【抽出】をクリックします。
    ※登録単語、ウィザードのチェックボックスのチェックをはずせば、学習単語のみを見ることができます。
    ※右側にあるチェックボックスで抽出する品詞を選択できます。


  BMP7B5.gif


(5)下の図のように学習された単語を見ることができます。

  




☆☆☆第2回 品詞を変更しよう! ☆☆☆


(1)ユーザー辞書に自動学習された単語を見るとオヤオヤというものがいくつもあります。
  特にカタカナの人名や、固有名詞などが、さ変形動名詞として学習されていることが目に付きます。
  他にも色々と直したい品詞がありますが、「さ変形動名詞」として登録されている単語を実際に変更してみましょう。


  BMP795.gif


(2)まず、以下の文章を打ってみてください。
 「映画スタートレックネクストジェネレーションの、宇宙船エンタープライズのピカード艦長を演じていた役者の名前は忘れてしまったが、映画スペースヴァンパイアで精気を吸い取られる病院長の役をやっていたのが思い出される。」(駄文ですいません。)
 ここで、辞書ツールを使って、学習された単語を確認してみましょう。
  ※IMEの変換候補の設定によっては、ユーザー辞書に登録された学習単語を見ることができません。詳しくは、その他のページの01.26を参照。    (この項 01.26追加)

  

  ピカード、トレックが、さ変形動名詞として登録されていることを確認してください。以下、「ピカード」を例にして説明していきます。

(3)「さ変形動名詞」ってなーに?
 「ピカード」は人名として文中で使用しました。したがって、それっぽい品詞で登録されてほしいと考えるのが人情というものでしょう。では、「さ変形動名詞」とはどういう働きをするものなのでしょうか?
 一度、「IME2002」のヘルプを見てみましょう。
 ア)「言語バー」の「?」(ヘルプ)をクリックし、「Microsoft(R)IMEスタンダード2002」→「目次とキーワード」とたどり、「目次とキーワード」を選択してください。」

 

 イ)下図のようなヘルプのウインドウが開きますので、『キー操作一覧/登録品詞一覧』の前にある、「+」の部分をクリックしてください。

  


 ウ)小項目が現れますので、さらに、『登録品詞一覧』の前の、『+』の記号をクリックしてください。
    ※「−」になった部分をクリックすると、元に戻ります。

     


 エ)さらに、『?特殊な名詞』をクリックすると、右側に説明が現れます。

  


 オ)ヘルプの『さ変形動名詞』の説明ではわかりにくいですネ。
  つまり、『形容動詞の働きをするさ変名詞』ということです。では、『形容動詞』『さ変名詞』とは何でしょうか? エ)の手順で、『さ変名詞』『形容動詞』の説明をを一度見てください。
  結局、
   ・「ピカード」という単語が「名詞」ならば、
      →「ピカード」という単語は主語、目的語になる
       →「ピカードは艦長だ。」「ピカードを探せ。」
        →文章として意味が通じる
         →「ピカード」という単語が「名詞」として登録されるのなら許せます。
   ・「ピカード」という単語が「さ変名詞」ならば、
      →「ピカード」という名詞に「する」がつく
       →「ピカードする」
        →意味不明?
         →「ピカード」は「さ変名詞」ではない
   ・「ピカードだ」→形容動詞でよさそうですが、実は、この『だ』は本来は助動詞として使用されるべきもので、形容動詞の一部の『だ』として使用されてはいけないものです。
      ※助動詞は、IMEのプログラムの中に組み込まれていて、自動的に単語につながって変換されます。
     →「とてもピカードな少年」
       →意味不明?
        →「ピカード」は形容動詞ではない
  ※形容動詞の見分け方は、前に、『とても』や『大変』をつけ、後ろに、どんな単語でもいいから『名詞』をくっつけて意味が通じれば形容動詞です。
   となり、「さ変形動名詞」として登録されるのは明らかにおかしいといえます。
             ※これら品詞の区別の仕方は、『品詞ってな〜に』で詳しく解説しています。


(4)では、実際に、「ピカード」の品詞を変更してみましょう。
 ア)下図のように、「ピカード」をクリックし、強調表示になったら、ツールバーの【変更ボタン】をクリックしてください。

  


 イ)以下のような「単語/用例の変更」が現れたら、品詞の欄の、『さ変形動名詞』となっている右の矢印のような記号をクリックし、次に【姓】を選択してください。

         


 ウ)下図のように、品詞が【姓】であることを確認したら、【登録】のボタンをクリックしてください。
  

 エ)【閉じる】のボタンをクリックして閉じると、リアルタイムで品詞が変更され、登録種別が、ユーザー登録に変更されます。これ以後、『ピカード』は、【ツール→抽出】という手順を経なくても、辞書ツールでユーザー辞書を開けば、ユーザー登録単語として、すぐに表示されることになります。一度確認してみてください。(確認した図は省略)

  




☆☆☆ 第3回 おかしな単語は捨ててしまおう! ☆☆☆


  辞書ツールを起動して、【ツール→抽出→学習単語にチェック→抽出】の順で学習された単語を確認してください。きっと変な単語が含まれていると思います。助詞を含めた複合語や、意味不明の単語など、おかしなものが学習されていませんか?

  BMP1908.gif

 例として、「べました」を削除してみましょう。

(1)『べました』をクリックして強調表示させたら、【削除ボタン】をクリックし、「削除」というダイアログが現れたら、【はい】をクリックしてください。『べました』が削除されていることがすぐ確認できます。
   ※【Del】キーを使っても削除できます。

  BMP190D.gif

 皆さんも自分のユーザー辞書でおかしな単語を捨ててみてください。

(参考)
  ・【Shift】キーを押しながら【クリック】することによって連続した一連の単語を選択できます。
  ・【Ctrl】キーを押しながら【クリック】することによって任意の複数の単語を選択できます。



☆☆☆ 第4回 「修復」ってな〜に? ☆☆☆


 「ユーザー辞書が原因で変換がうまくいかないときや、変換が以前の方が良かったと感じたときに修復すると、元の変換状態に戻ることがあります。」
 ヘルプには、上記のような説明がありますが、実際のところ、ユーザー辞書を修復すると、学習結果(学習した単語、用例)がすべてなくなり、辞書が初期化され、初めて使用した時の状態に戻ります※ユーザーが登録した単語、用例のみそのまま残ります。正しく学習される単語もあるようですし、これは、どう考えてももったいないですネ。ちょっとしたメンテナンスで自分だけのユーザー辞書ができるのですから。※修復する前のユーザー辞書に戻すこともできます。詳しくはヘルプをご覧ください。
 ですから、【修復】して、学習結果をすべてゼロの状態にしてしまうよりは、学習単語をしっかりメンテナンスした方が、より自分にあったユーザ辞書にすることができるといえます。
※残念ながら学習した用例はメンテナンスできませんし、どんな用例として学習されているかもまったくわからない仕組みになっています。
※単語の変換時に正しい文節で区切られているようにして変換するとおかしな単語や用例を学習しないようにすることができます。
※サ変名詞として登録されていなければならないと思われる単語が名詞として登録されている場合があります。この場合、文節をうまく区切らないと、「○○○/していると、」のようにひらがなの部分を1文節として変換したりすると、「していると」が、「名詞」として登録されたりします。