【ワシントン=尾形聡彦、ニューヨーク=山川一基】米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は10日、トヨタ自動車が2005年に実施した小型トラック「ハイラックス」関連車のリコール(回収・無償修理)をめぐり、同社の対応が遅れていなかったかどうか、本格調査に入ったと発表した。米運輸省関係者は朝日新聞の取材に「新たな制裁金を科す可能性がある」と説明した。
同社は4月に別件で制裁金を科されたばかり。今回も連続して制裁金支払いを求められれば、異例のことだ。
ハイラックスの不具合をめぐっては04年8月、熊本県で5人が負傷する衝突事故が発生。トヨタはハンドルの動きを車輪に伝える部品に欠陥があるとして、日本では同年にリコールを行った。同社は当時、米当局に対しては米国では同様の不具合情報はないと説明した。だが、05年になって、米国で売られている車種にも問題があったと米当局に伝え、米国でも同様の部品を使っている小型トラックなど3車種約98万台のリコールを行った。
NHTSAは今月7日、04年の日本でのリコール以前にも、米国で複数の苦情が出ていたとの情報を入手。運輸省関係者によると、米国の消費者から41件の苦情がトヨタに送られていたという。
米連邦法は、自動車メーカーに対し、車の欠陥を見つけた場合には5日以内に米当局に通知し、迅速にリコールを行うよう定めている。
トヨタ自動車広報部は「NHTSAが調査を開始した旨、連絡を受けた。当社としては、当局の調査に全面的に協力する意向である」と、話している。