厭債害債(或は余は如何にして投機を愛したか)

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<<   作成日時 : 2010/04/05 05:17   >>

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昨日はまた信じられない記事を新聞で見つけてしまいました。

「長妻厚生労働大臣直属の年金記録回復委員会は、新たに見つかった年金記録に基づいて記録を訂正すると年金受給額が減ってしまう場合、本人が訂正を拒めば、強制的には減額しない方針を固めた。」
(4月4日付日本経済新聞)

今の政治は一体どこを向いてしまっているんでしょうか?それはたしかにこれまでもらってきた年金額を元に生活を立てていた人は減らされたら大変でしょうよ。でも、制度を本当に維持したいと思っているのなら、このことで醸成される不公平感、とりわけ若い世代との不公平感がどのようなものであるのかについてもっと検討が必要なのではないでしょうか。この話を聞いたら誰もお金を払いたくなくなります。しかも悪いことに「本人が訂正を拒めば」だそうで、要するに本来法律できちんと決めたことを一個人が勝手に変えられるのです。これは法律や制度に対する信頼を大きく損ねることになるのです。お分かりでしょうか?

これのやり方はワタクシにいわせれば明らかに間違っています。役所にミスがあったことで過去支給分は回収するところまではだれも要求しないでしょう。しかしせめて将来については正しい金額に(本人が泣こうが喚こうが)戻すのが正解ですしそれが法律の要求する所ではないでしょうか?

今の内閣のやり方は一つ一つがワタクシの価値観を逆なでするので本当に不愉快なのですが、子供手当やらこの年金の件を見る限り、今の民主党や内閣が「まともに働いて日本の将来を考える人々」の方向をちっとも向いていないということがよくわかります。

最近の世論調査を見ていると、どうやら民主党に政権をとらせたこと、少なくとも鳩山氏を首相にし小沢氏を影の実力者とする体制を支持したことを後悔している人がかなり増えているように思えます。ワタクシは昨年の選挙の時にこのブログであえてエントリーをあげて、「後悔のない選択」と書きました。これまでも自民党の時にも何度も後悔してきたとはいえ、あえて政権を変えてみた結果どうやら従来以上に悲惨な状況になりつつあるとなれば、その失望の度合いもより大きくなっているように思います。

脱官僚や政治主導などテーマとして政権交代ぐらいで簡単にすぐにできないようなテーマが多いのはワタクシも理解できるし、多くのものについてはそれほど拙速に結果が出なくてもいいと思います。しかしながら、子供手当や年金の問題や経済問題への対応に見られるような根本的な価値観において、ワタクシの目からは明らかに間違った対応をとっておられると思います。

自民が崩壊し、民主が崩壊してしまったら、今は軸となるものが失われる。うっ屈した不満を引き受ける極右などが出てきやすい。これも歴史の一こまとはいえ、これからの道は相当厳しそうです。この手詰まり感によって、日本の有権者が極端な思想やら行動を支持してしまわないように祈るのみです。(まあ、すでに民主党はある意味では相当極端ですが)。しかしながら自民党はほとんど崩壊寸前だし、受け皿もなくなりつつある今、かなり混乱した政治の状況が長く続きそうに思います。ほかに受け皿がないという状況で、人々はやむを得なく民主党に投票し続けるのでしょうか?民主党を選んだのが民意である以上、きちんと「民意」にこたえてほしい。ここまでの支持率の続落と不支持率の急上昇は、現政権が明らかに人々を失望させていることを示しています。

それにしても、自民党時代も含めどうして政治が上手く回っていかないのか?一言でいえば日本がこれまで運も味方して成功しすぎたのであり、国内にいるということが極めて楽であるがゆえに、その状況がかえって閉塞感を引き起こしているのだろうと思います。所得がそこそこあり、所得水準比で安いコストで食糧が手に入り、強制的に戦争にいかされることもなく、とりあえず経常黒字の間国のバランスシートを膨らませてお金を国内でぐるぐる回していることができる。この状況がなんとなく続いているという安易さが危機感のなさに表れているのでしょう。

我々にとって不幸なことは、最も「現実的」危機感に乏しいのがいまの鳩山政権であるということです。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
古賀伸明氏がマニフェスト修正を鳩山首相に要求
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あの日のままコラム
2010/04/05 17:33

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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
>>受け皿もなくなりつつある今
今度はみんなの党に走り、そして埋蔵金が出なかったら、また失望、でしょうか?

>>この状況がなんとなく続いている
この猶予期間中に、筋道が見つかれば良いのですが・・・
40歳無職
2010/04/05 07:05
御意^1024
この国が法治国家から人治国家に崩壊していく…orz
開いた口がふさがりません。残念です。
EURO SELLER
2010/04/05 10:49
僕は自民の政治にはあんまり失望した事はなかったなぁ。与党内で勝手に政権交代して問題を回避してたし。むしろ野党側の無邪気な反対意見の方に憤慨してました。

僕はメタ主義的な発想はあまり好きではなくて、ブラックボックスでも、それなりの答えを出せば良い政治と思ってます。政治プロセス改革だとか、脱官僚だとかには「遊んでる暇があったら仕事しろ」としか思わない。

あと、「民意」って何でしょう。人はそれぞれ意見の対立を持っているものです。決定的な対立点を表に出さずに、雰囲気で批判することで、なんとなく自分が多数派であると思っていたい日本人の性質を逆手に取られているように思ってしまいます。
本来政治は、対立点を明確にし、意見を採用する側と切り捨てる側を厳密に区別し、切捨てられる側に別の果実を与えて妥協点を探ることだと思います。その調整に10年かかるんなら、それはそれで仕方が無い。自民時代に進められた普天間基地の移転は、その典型です。皆、自分のところに基地が来て欲しくはない(地元を反対でまとめるのは容易)ので、各移設候補地は一見仲間に見えてしまいますが、本来の問題は「どこに移設するか」なのですから、本質的には「あっちへ行け」と対立する話なのです。だから、反対派全てに味方面したら何も決まらない。
地勢学的には沖縄以外ありえないのに、それをご破算にして10年前の議論以前の段階戻した上で、数ヶ月で結論を出そうなんて驚愕の政治音痴ぶりだと思います。

とはいえ、かつての野党が与党になって、昔はマスコミ交えて有る事無い事アジっていれば良かったのが現実をつきつけら、野党がそこそこまともなので、意外と直すべき過去の政策が見直されていくのではないかと思っています。それが、政権交代を支持していた人たちの思惑と逆であっても、きっとそうなるでしょう。
通公認
2010/04/05 12:18
というか、民主党が嘘つきと無能の集団でマニフェストなんか出来もしない能書きばっかりってのは選挙前から分かってたはずなんですよね。マーケットに対峙している人間からすれば。私は去年の8/31から今の状況を覚悟してましたし、半年たてば国民も気付くだろうと思ってました。
んで、次は第三極ですかね?青い鳥ばっかり探してどうにかなるんですかねぇ。
mikura
2010/04/06 10:25
いや、別にマーケットに対峙していなくてもわかってたんですが、最近面白いと思ったのは、過去に左派が反対していた事が、予想以上に進んじゃっているなぁって事。

青い鳥の件は思いっきり同感です。
通公認
2010/04/06 17:00
>うっ屈した不満を引き受ける極右などが出てきやすい。

激しく同意しますね。民主党非難にも色々あって、一本スジの通ったものから、偏狭な国粋主義に基づく罵詈雑言まで様々なので、注意せねばなりません。
みう
2010/04/06 17:44
>子供手当や年金の問題や経済問題への対応に見られるような根本的な価値観において、ワタクシの目からは明らかに間違った対応をとっておられる。

周囲と話してみると、支持率が落ちている理由は、そんな高尚な理由ではないような気がしますがね。
いずれにしても、民主党が「中道左派」である以上、ブログ主さんの価値観に寄り添うことは殆どないでしょう。
みう
2010/04/06 17:54
40歳無職さん、どうもです。政権が変わったのだから多少さまざまな点で時間がかかるのは仕方ないと思いますが、明らかに当初と方向が違っている点が心配です。

EUROSELLERさんどうもです。気がつけばキーパーソンとレバレッジ政党だけが暴れまくってしまって、日本がどこへ向かっているのかよくわからない状況にした罪は大きいと思います。

通公認さん、コメントありがとうございます。民意とは「変えること」でしかなかったのかもしれませんが、その先に漠然と「よりよい世の中」というものをイメージしていたのだと思います。政治家の仕事はその漠然とした「よりよい世の中」の姿を具体的にこういうものだと見せて改めて支持を受けることだと思います。マニフェストが本来その位置づけでしたが、残念なことに無理をしてしまった。支持を受けたマニフェストの内容はもともと無理でしょせん詐欺でしかなかった。それを無理やり実行するためには強盗に変身するかゴメンナサイするしかないのですね。

厭債害債
2010/04/08 00:37
mikuraさんどうもです。たしかに青い鳥など結局自分の中にしかいないのですよね。つまり主体的に色々なテーマについて自分なりの答えを持ち、それに従った行動をとるということでしかないと思います。

みうさんどうもです。ワタクシの民主党批判のレベルはそれほど高くありません。つまり誰が見ても簡単に非難できるほどそれほどぼろぼろだと思うのですよ。民主さんが本当の意味で中道左派なのかどうかはよくわかりませんが、多くの批判は単に民主党が全然党内が一貫しておらずレバレッジ政党たちに振り回され、独裁的な色彩とか、物事の決められなさとか過去の主張との矛盾とか、そもそも政治をつかさどる主体として体をなしていないという点に向けられているのだと思います。その意味ではおっしゃる通り「価値観」以前の問題なのかもしれません。
厭債害債
2010/04/08 00:45

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