ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の走行音が静か過ぎるため、歩行者が接近に気付かない危険性がある問題で、国土交通省は10日、電子音を出す対策を施した自動車の体験会を東京都小金井市の尾久自動車学校で開いた。
視覚障害者やメーカー関係者など約130人が参加。ハイブリッド車のトヨタ・プリウス、電気自動車の三菱・i-MiEV、日産の試作車の3台が、停止や発進、ガソリン車の後ろを走行した場合などに音がどう聞こえるかを比較した。
参加した日本盲人会連合の笹川吉彦会長は「音は確認できたが、実際の道路では聞き取りにくいと思う」。千葉県船橋市のマッサージ治療院経営、松川正則さん(54)は「今回の音量では気付きにくい。周波数が高いと分かりにくく、工夫が必要」と指摘した。
3社とも「できるだけ早く製品化したい」としている。国交省は装着義務化に向け、音量などの基準作りを進める方針。【平井桂月】
毎日新聞 2010年5月11日 東京朝刊