◇スーパーフライ級10回戦
5回、リエンペット・ソーウィラポン(右)にボディーブローをヒットさせる内藤=後楽園ホールで
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9日、東京・後楽園ホール ▽観衆=1650人
ポンサクレックと5度目の対決だ−。元WBC世界フライ級王者で同級3位の内藤大助(35)が、リエンペット・ソーウィラポン(22)=タイ=に5回2分12秒KO勝ち。昨年11月29日、亀田興毅(23)=東日本協会=に敗れ、王座陥落して以来となる再起戦を飾った。内藤は序盤から硬さが目立ち、精彩を欠いたが、5回に3度のダウンを奪った。早ければ次戦にも同級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(32)=タイ=に挑戦。王座返り咲きを狙う。
1650人の観客から温かい声援が飛んだ。みんな内藤の復活を待っていた。
160日ぶりのリングは、決して喜べる内容ではなかった。初回から動きが硬かった。5回、ようやく右ストレート、右ボディーで2度のダウンを奪い、最後は左右の連打で粘る相手を仕留めたが、格下相手に思わぬ苦戦だった。
興毅へのリベンジを宣言して復帰したものの、王者は興毅からポンサクレックに代わった。今後、誰をターゲットにするのか。陣営はポンサクレックとともに、1階級上の名城信男(28)=六島=も標的にしていた。今回の試合がスーパーフライ級で行われたのも、2階級制覇への試運転にするはずだったからだ。だが、名城は2日前にWBA世界同級王座から陥落。プランは消滅した。
試合後、内藤は「調整はうまくいったし、ぶっちゃけスーパーフライがベスト」と転級に含みを持たせた。それでも関係者は「ポンサクレックに挑戦するのが現実的」と口をそろえる。宮田ジムはポンサクレックへの優先挑戦権を持っているからだ。
8月で36歳。内藤には時間がない。「オレは相手が強ければ強いほど燃えるし、力を発揮する」。因縁のポンサクレックとはこれまで1勝2敗1分け。相手に不足はない。早ければ次戦にも5度目の対決が実現する。 (森合正範)
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