中日−ヤクルト ベンチで戦況を見るKOされた朝倉の前を通り過ぎる落合監督=ナゴヤドームで(谷沢昇司撮影)
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3連勝を狙った9日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)は先発・朝倉が初回に崩れ0−9の完敗。負けるときは、こんなもの。ただ「2」「1」「0」…。得点力の低下は、ちょっと気になるところ。2日休んで12日からは交流戦。気持ちを切り替え、さあ出直し−。
交流戦前最後となるセ・リーグ同士の一戦は惨敗だった。初回に先制され、点差を広げられ、0−9。なのに、落合監督は朗らかな笑みだった。「10点取られて、3点しか取れなくて、2勝1敗。御の字じゃないか。マイナス7点。十分じゃない? という発想はないだろ」
0−9。これが即「マイナス9」にならないのが指揮官の考えだ。今回のヤクルト3連戦、得点はトータル「3」。失点は計「10」。得失点は「マイナス7」ながら、星取りは2勝1敗。ここを評価したのだ。
ここまで39試合、トータルの得失点もマイナスだ。得点150に対し、失点170。何とマイナス点が20もある。それで星勘定は貯金2。やりくりの上手さが際立つ数字となっている。
数字の逆転現象は成長の表れなのか。落合監督は「人それぞれの解釈の仕方」と、語る。
「接戦を勝って、大敗する。持ち味ということでいいんじゃないか。9対0じゃなく、20対0でも構わない。1対0でも勝てばいい」
巨人のように、圧勝を重ねて得失点差プラス70もつけているチームがある。宿敵とのゲーム差はこの日、今季最大の5に広がった。チームの勢いがなかなか出ない戦いの中で、他球団にはないしたたかさが数字でとなって現れた。
12日からは交流戦が始まる。「まだ何も考えてない。(相手投手が)誰がくるかも分からない」。指揮官が交流戦モードに本腰を入れるのは10日から。その直前に持ち味たっぷりの勝ち越し。どこが相手でも変わらない勝負強さがある。 (生駒泰大)
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