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沈没艦から魚雷用爆薬…韓国、北の関与示唆

 【ソウル=仲川高志】韓国の金泰栄(キムテヨン)国防相は10日、海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」の爆発・沈没について、船体などから採取された火薬成分が、魚雷などに使用される高性能爆薬RDX(ヘキソーゲン)であることを明らかにするとともに、この爆薬が、「旧ソ連を含む多くの社会主義国でも使用された」と指摘し、北朝鮮の関与を強く示唆した。

 韓国政府はこうした状況を受け、北朝鮮への対抗措置の本格的な準備に入った。

 韓国政府幹部が、魚雷用の火薬成分が見つかったことを公表するのは初めて。国防省内で記者団に語ったもので、国防相の発言は、「北朝鮮の技術力では高性能爆薬は持てない」との韓国内の一部見方を否定する意図で行われたとみられる。

 国防省によると、RDXは哨戒艦の煙突と沈没現場の海底の砂などから検出。国防相は「機雷より魚雷の可能性が高い」と語った。

 今後の焦点は、韓国政府が北朝鮮の関与を断定する上で、どこまでそれを客観的に証明出来るかに絞られており、国連安全保障理事会への制裁提起など北朝鮮包囲網の形成に向けた外交努力を急ぐ方針だ。

 金国防相は10日、ウォルター・シャープ在韓米軍司令官と会談、今後の対応について意見交換した模様だ。柳明桓(ユミョンファン)外交通商相は10日、欧州連合(EU)との外相会談のため訪欧。安保理常任理事国の英・仏外相らと会い、20日をメドとした原因調査の結果発表後への協力を求めるとみられる。

 15日に韓国・慶州(キョンジュ)で開く日中韓3か国外相会談でも、日中両国に可能な限りの説明を行う意向だ。特に、中国の出方は今後の対応を左右する。李明博(イミョンバク)大統領は、調査結果を中国に事前説明する考えを示し、「中国も納得し、役割を果たすだろう」と期待をかけている。

2010年5月11日00時59分  読売新聞)
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