地方とソウル・江南の高校生の「英語格差」(下)
問題の類型別に分析すると、教科書の問題よりも、実用英語中心の問題で差が大きかった。教科書中心の修能読解問題の正答率の差は0.6点にすぎなかったが、TOEFL型読解問題とTEPS型読解問題では、それぞれ24.1点と15.1点(100点満点換算基準)と差が開いた。
トピア語学院のキム・ソクファン代表は「修能に表れない『本当の英語』の実力格差が、今回の試験で表れた。外国生活を経験したか、ネーティブスピーカーから英語を習ったことがあるか、など、環境と機会の差が英語格差を生み出していることが証明されたもの」と分析した。
■経済力が英語の実力を分ける
深刻化する英語格差の最初の原因は、小・中学校時代の学校外での教育の差だ。江南B高校の生徒らは、1クラスのうち10人以上が語学研修を経験しており、90%以上がネーティブスピーカーの講師の教える英語専門塾に通っていた。反対に、慶尚北道A高校の生徒らは、学校以外でネーティブスピーカーに英語を習う生徒は一人もいなかった。都市と農業地域という格差だけではなかった。取材陣が出会ったソウル地域の英語教師は皆「同じ学校の中でも経済力による英語格差が大きい」と指摘した。
ソウル・江南のC小学校の教師らが明らかにしたところによると、この学校で2年前、「英語いじめ事件」が発生したという。英語幼稚園を出て、英語専門塾に通う子供たちが、英語のできない子供の一人に「Are you crazy?(あんた頭がおかしいんでしょう)」「You are ugly, aren’t you?(あんたブサイクだよね)」というような質問を投げ掛け、答えられずにいると「○○は頭がおかしくてブサイクなんだって」と数日間にわたりからかい続けたという。この学校の教師は「以前は、服装や外見で貧しい子供がいじめられたことがあったが、最近は月謝が高額な英語幼稚園に通っていた子供たちが英語で『いじめ』をする」と話す。
そのため、保護者たちも大金を抱えて英語幼稚園や英語塾に向かう。昨年、ソウルのある私立小学校に子供を入学させたパクさん(39)は「お子さんが少し英語で苦労しているようだ」という担任教師の電話を受けて、結局英語専門塾に行かせることにした。150万ウォン(約12万2000円)にもなる授業料の負担は大きいが、同じクラスの子供たちは基本的な会話までできるので仕方がなかった。
教育市民団体「家庭教育の心配がない世の中」が昨年首都圏の西部、北部、ソウルの江西、江南、盆唐の五つの小学校の児童238人を対象に、学校以外での英語教育の経験を調査した結果、英語幼稚園(江南25%、江南以外1%)や、英語専門塾(江南77%、江南以外40%)、海外研修(江南40%、江南以外22%)など、全部門で江南とそれ以外の地域の二極化が深刻になっていることが分かった。
- 写真=キム・ヨングン記者
オ・ヒョンソク記者
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