米国産牛肉:「『狂牛病怪談』事実とは言っていない」(下)

ろうそくデモから2年

 禹教授がBSEの危険性を訴えたことについて、医療業界の一部では、教授が設立した会社の利益と関係があるとの批判が出ている。禹教授は2000年にBSE診断検査試薬を製造販売する「自利他(チャリタ)バイオテック」を設立し、代表取締役に就任した。これについて、禹教授は「その会社の代表取締役は辞任した。株式のみ参加している」と答えている。

 一方、もう一人の代表的「ろうそくデモ医療関係者」、「国民の健康のための獣医師連帯」のパク・サンピョ政策局長は2年前、「異常プリオンという『怪物』は、コショウ一粒の1000分の1に当たる0.001グラムでもvCJDに移行する可能性がある」と主張した。そのため、「コショウ程度の微量の米国産牛肉食品を摂取しても、vCJDに感染する恐れがある」という俗説が広がった。もちろん、こうしたことは「現実的に起きる可能性はない」と科学界では結論付けている。

 ところが、パク局長はその後もこの発言を訂正せず、「BSEの危険性は現在進行形」という主張を繰り返している。そこで、パク局長に話を聞こうとすると、「(BSE関連の)インタビューや取材には応じるつもりはない」と電話を切られた。

 「人道主義実践医師会」のウ・ソッキュン政策室長は、米国産牛肉の輸入再開について、新聞への寄稿などで「生後30カ月未満の牛という条件では、韓国人がよく食べるホルモン・テール・ひき肉・脚の骨・タンなどはすべて制限なく輸入できる。(その結果)コムタンスープ・ソルロンタン・ハンバーガー・ソーセージ・ピザなどは、命懸けで食べなければならない状況」と主張している。だが、ウ室長の主張通りならば、米国人もハンバーガーやピザを命懸けで食べていることになる。

 これに対し、当時「ろうそくデモ医療関係者」と医学論争を展開した神経病理学者のヤン・ギファ博士は、「政治的見解により科学的な事実が歪曲(わいきょく)され、専門家でもない人々が前面に出て、間違った俗説を蔓延させた」と批判している。

金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者

【ニュース特集】米国産牛肉輸入問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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