米国産牛肉:ソウル大元総学生会長の告白(下)
ろうそくデモから2年
―そう考えていたなら、なぜ同盟休業を行い、デモに参加したのか。
「学生が全学投票という正統な手続きを踏んで決定したからだ。同盟休業を行うと結論を出した以上、学生の代表である総学生会長として手を引くことはできなかった」
―恐怖に震える周囲の人たちに、「心配する必要はない」と声をかけなかったのか。
「そのような話はなかったが、“冷静に判断すべき”とだけ話した」
勢いを強めた「狂牛病の危険性がある米国産牛肉の全面輸入に反対する国民対策会議(以下、対策会議)」は、「再交渉しない場合、政権退陣のための国民抗争を行う」として、デモのイシューを公企業の民営化反対など「5大議題」に拡大するという政治闘争を宣言した。
こうした状況でソウル大総学生会は、再び物議を醸した。「学生が全学投票で議決したのは牛肉再交渉に限られたもので、政治問題を扱うろうそくデモには参加しない」と宣言したのだ。これには批判が殺到したが、総学生会は主張を曲げなかった。
チョンさんはろうそくデモの意味を次のように評価した。「今後改善し、謙遜すべきだという叱責の意味で、ろうそくを手に取った。国民の手で選んだ大統領が、任期初めに辞任することを本当に望んだ人はそれほどいなかったはずだ」
チョンさんはまた、「混乱の中でソウル大総学生会が学生との約束と手続きの正当性を守ったという点に、自負を感じている」と話した。
しかし、ろうそくデモの趣旨が自分の考えに反するものであったというなら、デモに参加して「政権退陣」のスローガンを叫ぶという行為は度を越えていたのではないのか。チョンさんに最後の質問を投げかけると、沈黙の末に次のような答えが返ってきた。
「社会全体が熱を帯びてある一方に集中する状況で、ほかの意見を主張するのは難しかった。政権退陣を叫んだのは、国民のために最善を尽くしてほしいという厳しい叱責の表現だった」
チェ・ギュミン記者
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