金総書記訪中:北朝鮮、中国の要求を無視(上)

中国からの内政干渉的な提案は報道せず

 北朝鮮の国営メディアは8日、中国・北京で行われた金正日(キム・ジョンイル)総書記と中国の胡錦濤国家主席との首脳会談について、数日遅れで報じた。7日には、金総書記が大連と天津を訪問したというニュースだけを報じていた。

「内政疎通」と「改革・開放」はあえて無視

 北朝鮮が報じた中朝首脳会談の結果は、一見、中国の新華社通信が7日に発表した内容と同じようにも見える。しかし北朝鮮は、胡主席が発言した「内政面と外交面での戦略的意思疎通の強化」や、温家宝首相が言及した「中国の改革・開放の経験を紹介したい」という発言に関しては言及せず、これについては「両国は自国の状況について話し合う」「中国の経済発展について紹介」などの表現で遠回しに報じた。「内政疎通」や「改革・開放」という中国側の主張は、ほぼ省かれたことになる。

 とりわけ北朝鮮は胡主席の発言を紹介する際、「内政疎通」を含む「五つの分野における協力」の提案については一切言及しなかった。中国の新華社通信は胡主席が金総書記に五つの項目を提案したと報じているが、具体的には(1)政府高官同士の交流(2)内政と外交問題などに対する戦略的疎通(3)経済貿易協力(4)文化・スポーツ分野などでの交流(5)東アジアの平和と安定に向けた協力-というものだった。

 内政に口を出し、改革・開放まで求めてくる中国側の発言に、金総書記が気分を害したのは間違いない。外交安保研究院のキム・フンギュ教授は「内政不干渉は中国外交の最も重要な原則だが、今回は内政まで疎通させるとした。つまり戦略的対話とは名前だけのもので、実際は、中国側の利害と関連する北朝鮮の内政に中国自らが介入するという意味だ」と述べた。

 「改革・開放」は金総書記が最も忌み嫌う言葉だ。金総書記は2008年6月に経済官僚たちに対し、「改革・開放を行って市場経済へと向かうかのように理解されているようだが、これは非常に間違った考え方だ」と述べている。これは、ハン・ギボム元国家情報院北朝鮮担当次長の博士論文に記載されている。

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る