原油高・ウォン高・金利高の「三高時代」目前(中)

■上昇する原油価格

 国際原材料価格の代表格である原油価格は、08年の世界的金融危機直後に比べ、既に2倍近く上昇した。08年末に1バレル=44.60ドルだったWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油価格は09年末に同79.36ドルまで上昇。今年に入ってからも続伸し、同86.15ドルを付けた。韓国石油公社は今年3月に今年の平均原油価格を同75ドル(ドバイ原油)と予想したが、4月末には同80ドルへと予測値を5ドル引き上げた。

 国際金融センターのオ・ジョンソク研究委員は「世界景気の回復が目立つようになれば、投機資金が流入し、年内にもWTI原油は100ドルを超える可能性がある」と指摘した。

 原油価格だけでなく、銅や鉄鋼など他の原材料価格も高騰している。4月末時点で、銅とニッケルの国際価格は08年末に比べ130-150%上昇した。同じ期間に米国産スクラップの輸入価格も60%上昇した。原油価格と原材料価格が上昇すれば、輸入物価や企業の生産コストが上昇し、家庭や企業の負担が増大する。

■ウォン高も進行

 世界的金融危機の直後、ウォン相場が暴落し、韓国の輸出企業の成長を後押しした。しかし、ウォン安で貿易黒字が増大した上、韓国、中国などアジア経済が急速な回復を示し、海外資金が殺到したため、ウォン相場は年初来急騰に転じた。

 ウォン相場は08年末に1ドル=1259.50ウォンだったが、09年末には同1164.50ウォンまで上昇。3月以降は上昇ペースが速まり、今月には同1110ウォン台まで上昇した。専門家は中国の人民元が上昇すれば、ウォンも連れ高するとみている。サムスン経済研究所は「ウォン相場上昇が今年後半まで続き、平均レートは同1070ウォンまで上昇する」と予測した。ウォン高が進めば、輸出が減少し、輸入が増え、貿易収支は悪化する。また、自動車、半導体、家電など韓国の主要製品の輸出競争力が低下する。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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