「3K」は過去の話、伝統技術が復活(上)
金型、熱処理などの伝統技術がITなどハイテクと結合
軽くて丈夫な製品を作り出す
需要の急増で人手不足も
最近、韓国の内外で大きな反響を呼んでいる現代自動車のYFソナタは、これまでのモデルと比較すると、燃費がおよそ10%向上した。これはエンジン性能が向上しただけでなく、車体に使用されている鉄鋼の重量を軽減することに成功したからだ。これを可能にしたのは、現代自の部品製造子会社ウィアが開発した「ホット・フォーミング」と呼ばれる新金型技術だ。
特殊素材を摂氏1000度以上の高温で処理する技術で、韓国で初めて開発された。ウィア・プレス技術チームのアン・スンベ部長は、「この技術により、車1台当たりの鉄の重さを10キロ減らすことができ、強度も1.5倍向上した。環境にやさしい車というアイディアを最終的に実現するのは、やはり伝統技術だ」と述べた。
金型や溶接、熱処理など、いわゆる「3K(きつい、汚い、危険)」と呼ばれ敬遠されてきた伝統技術が、最近になって注目を集めている。金型や熱処理などは製品の重量を減らし、強度を高めるなど、ハイテク製品の付加価値を高めるのに大きく貢献している。そのため、一時はこうした職種への就職希望者が非常に少なかったが、最近は徐々に希望者が増えつつある。
■ハイテクを支える伝統技術
RIM社が製造するスマートフォン(PDA〈携帯情報端末〉機能付き携帯電話)「ブラックベリー」に、アジアの企業では唯一、携帯電話ケースを納品するウジョン&ハンダン。ウジョン&ハンダンがRIMのパートナーとなったのは、単純に金型技術のおかげだ。ガラス繊維を使用し、薄くて変形しにくいケースを生産する技術だ。ウジョン&ハンダンのイ・ジョンウ社長は、「スマートフォンの競争力はソフトウエアだが、顧客が製品を手にしたときの感触など、細かな違いは金型技術によるものだ」と述べた。
最近、サムスン電子の冷蔵庫など高級家電製品には、金型鋼という材質が使用されている。この材質はこれまでの製品と比較すると、強度が非常に高く、変形しにくいように特殊な熱処理が施されている。サムスン電子の関係者は、「洗練されたデザインが可能となったのも、熱処理といった伝統技術のおかげだ」と述べた。
慶尚南道の中堅金型企業、モア技術は従来のニッケルに代わってアルミニウムを使う環境にやさしい技術で表面処理を施している。主に自動車部品メーカーとの取り引きが中心だが、最近は携帯電話などの通信機器分野にも進出している。同社の関係者は、「欧州などの先進国で環境規制が強化されれば、わが社のように環境にやさしい熱処理技術の需要がさらに高まるだろう」と述べた。
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