【コラム】バンとIMF(下)

 しかし、最近の李明博(イ・ミョンバク)大統領の発言のように、危機はいつかまた訪れるということです。韓国は内需ではなく、輸出で成長する経済構造であるため、対外依存度が高い国といえます。また、ウォンは国際通貨ではないため、常にドルに対する需要の変動が大きいといえるでしょう。

 現在はドル保有高が増えたといわれていますが、資本収支による側面が強いものです。一種の借金といえるでしょう。毎年、経常収支が黒字の中国や日本とは事情が異なります。海外で経済危機が発生しドル需要が高まれば、韓国でも流動性の問題が生じます。それだけ不安定で弱い経済構造なのです。

 韓国経済は最近、注目すべき成果を収めました。今年1-3月期の国内総生産(GDP)成長率が7.8%に達したのです。これには海外メディアも驚きました。信用等級は、アジア通貨危機以前の水準に回復し、20カ国・地域(G20)の議長国として、自信と誇りを得たといえるでしょう。

 しかし、こういう時こそ、韓国経済を支援してくれた人たちに頭を下げるべきです。実際に、韓国は通貨危機以前にも、オイルショックなど4度の危機を経験し、その度に米国中心の国際社会から支援を受け、危機を乗り越えることができました。

 最近、サムスンや現代自動車、LGなど韓国企業が急速に成長したことで、ライバル国が韓国をマークしています。ライバル会社は、韓国人に対しては一般公開されているショールームでさえも見せてくれないということです。韓国開発研究院(KDI)は96年、韓国が2020年にG7の仲間入りをし、英国に追いつくと豪語しましたが、その翌年、アジア通貨危機に直面しました。韓国は、このような手痛い失敗を再び繰り返さないようにすべきです。

姜孝祥(カン・ヒョサン)編集局副局長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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