盧武鉉政権の「うっぷんと悔恨の統治学」

【新刊】金光東(キム・グァンドン)、金世中(キム・セジュン)、キム・ヨンホ、朴孝鍾(パク・ヒョジョン)、ユン・チャンヒョン、イ・ギュシク著『盧武鉉とポピュリズム時代』(キパラン)

 1年前、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が人生の幕を降ろした。その後、盧前大統領の人生と時代を振り返る本が幾つか出版されたが、追悼の雰囲気が強かったためか、盧前大統領と参与政府(盧武鉉政権)に批判のメスを入れた本はあまり見られなかった。

 「386運動政治のバランスシート」という副題が付いたこの本では、社会科学分野の専門家6人が、盧武鉉時代を政治・経済・福祉・対米関係・対北関係の五つの分野に分けて詳しく考察する。盧前大統領の死で見えにくくなった参与政府の真の姿を、各分野の専門家がよりバランスの取れた視点から観察し、その時代の中核部分を忠実に把握することで、盧武鉉時代の性格と意味を総合的に理解するのが趣旨だ。

 本書「逸脱の政治」の章で金世中(キム・セジュン)延世大教授は、「盧武鉉政治の失敗は、韓国社会が非常識的な逸脱政治にも簡単にはぐらつかない中心軸が形成された社会であることを逆説的に示した」と指摘した。朴孝鍾(パク・ヒョジョン)ソウル大教授は「盧武鉉政治の戦士的特長と影」の章で、「疎通を強調しながらも、“説得と疎通の統治学”よりは“うっぷんと悔恨の統治学”に近かった」と、盧前大統領の政治を定義した。288ページ、1万3000ウォン(約1030円)。

キム・ギョンウン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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