「安心してお召し上がり下さい」。宮崎牛専門店は、張り紙で安全性をアピールしている=福岡市
口蹄疫問題で家畜の殺処分が進む宮崎県畜産試験場川南支場。埋却処理の現場では青いシートや白い消毒剤が見える=8日午後4時14分、同県川南町、朝日新聞社ヘリから、恒成利幸撮影
口蹄疫に感染した疑いのある豚が見つかった農場で消毒作業をする宮崎県職員ら=7日、宮崎県川南町、県提供
しかし現場の影響は深刻だ。人や車を介してのウイルス波及が疑われるため、畜産農家らは結婚式への出席も自粛。畜産の競りはもちろん、祭りなど人が集まるイベントが軒並み中止だ。「物流も含め経済への打撃は計り知れない」との声も出る。
豚の生産全国2位の宮崎県にとどまらず、各地で明日は我が身と戦々恐々だ。隣接県は県境で、宮崎からの車両の消毒を行うほか、海をまたいだ愛媛県でもフェリーで運ぶ車両の消毒をしている。岩手県では家畜と触れあうイベントが中止になった。
人体には影響がないが、牛海綿状脳症(BSE)の際のような風評被害も懸念される。農水省が全国のスーパーなど小売店約6千店を調べたところ、3店で「宮崎産肉は扱っていない」などの不適切な表示が見つかった。
赤松農水相が宮崎入りを急きょ発表したのは8日。当初は「自分が行くことで騒ぎが大きくなるのは望ましくない」としていたが、4月末に自民党の谷垣禎一総裁が宮崎入り。7日には小沢一郎・民主党幹事長が宮崎市で宮崎県の東国原英夫知事から要望を受けていた。(大谷聡、石田一光)