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  • 【口蹄疫】 宮崎県の養豚場からのメール報告(2)

    宮崎県の畜産農家を襲っている口蹄疫の殺処分をめぐる難しい事情を伝えてくれるメール報告第二信が10日午前、届きました。前日と同じ養豚場の現場からです。以下はその全文です。(47NEWS)
    9日の第一信はこちらをお読みください。

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    昨日、メールいたしました口蹄疫44例目農場の者です。
    5/9 午前10:30頃に、対策本部の方から殺処分時の埋設場所についての打合せ来ました。
    幸いにも、私どもには埋設場所になる畑がありましたので、そこを提示させていただきました。
    その話し合いの中で、なぜこのように対応に遅れが生じてしまうのか、または今までの発生農場での現状を知りうることが出来ましたので
    ここに記載させていただき、幅広く皆様にこの現状を知っていただきたいと思います。

    ①:殺処分する前に、埋設場所の確認をとる

    ②:埋設場所があれば、そこの近隣住民の理解を得て掘削に取りかかる

    ③:殺処分開始

    ④:殺処分された家畜を埋設場所に適切な処理をして運搬・埋設

    ⑤:農場内全てを消毒をする

    上記にあげたのが大まかな流れなのですが、まず①でつまずくのが多いと担当者が疲労の顔を浮かべながら語っていました。
    そうです、埋設場所がなければ殺処分できず、その農場は現状では殺処分は後回しになってしまっているのです。
    そして、次に問題なのは③の殺処分です、この殺処分にかかわる薬品及び行為は薬事法により獣医師資格者以外が行うことを
    法律で禁じているのにもかかわらず、獣医師の人手不足により、5/10現在までに確認されている、6万5000頭の殺処分対象の約1/6しか
    いまだに殺処分されていないという驚愕の事実でした。
    県知事が農林水産省大臣に人員確保の要請をし、来た人員ですら足りず、今居る人員をフル活動させても川南全体で一日に1~2000頭を処理
    出来るか出来ないかと言う事実を聞き、私を含め父や母は驚きました。
    自衛隊を派遣しましたが、あくまで自衛隊は殺処分された家畜の運搬作業にしか従事できないのです、殺処分は法律で資格なきものは出来ないのですから。
    ここまでくると、現場の獣医師たちの疲労はピークを越え殺処分数も次第に1000から900,800と落ちていくことでしょう。
    県も必死で対応しているのですが人員を他県に直接応援は出来ないと、政府から指示が無いと出来ないとも言っていました。
    このような現場の声をきかず、上はマニュアル通りの指示しかしないのでしょうか。
    昔、人気のドラマの映画があったことを思い出します、主人公が現場の声を聞かずに無茶苦茶な指示を出す上層部に一括した言葉を
    「 事件は会議室で起きてるんじゃない、現場でおきているんだ 」
    報道陣もぜひ現場にカメラをいれて報道していただきたい、この現状を

    我が家では、日に日に口蹄疫の症状をだす豚が増えてきてます。足の蹄の付け根から血を流し痛さに鳴く母豚、蹄が根本からただれ落ちて生爪状態になって痛くて立てない肥育豚
    鼻の周りには水泡だらけになり、それが潰れて血が流れながらも、空腹にたえられず餌を体を震わせながら食べ様、また生まれたばかりの子豚が突然死していく様をみるのは正直辛い
    です。

    口蹄疫が発症してからというもの、父は今まで抑えていた餌の量を以前の量に戻して、「殺処分されるのは分かってる、でも最後までおいしい餌をおなか一杯食べさせてあげたい」と
    やはり悲しげな顔でやり続けています。

    私は、薬事法も防疫に関しても専門的な知識も教育も受けていません、ですがこのままでは確実に口蹄疫は川南をこえ宮崎全土にそして他県に広がるのでははいでしょうか?
    政府は何をしているのでしょうか?もしかして都濃・川南の全畜産関係者を使った災害シミュレーションでもやっているのではないでしょうか?
    なぜ、報道されず政府も動かずなのか
    疑問でならない。

    人に発症しない伝染病だから関係ない、とでも思っているのだろうか。
    事が終わって、保証金を積めばいい話とでも思っているのだろうか。


    2010年05月10日   【47NEWS】