初めてのブラジャーは正義 / もっと「べるぜバブ」を押して行こうぜ / 「となりの怪物くん」がはじまった / 「鉄風」が燃える / 「ワンピース」の笑顔は美学ですよお


2010年03月16日(火)

いやぁ、年度末は暇だな。で、「暁の護衛-罪深き終末論-(公式サイト)」の体験版をやってみたんですが、これすげぇ面白そうです。続編なので前作をやってからプレイしなきゃいけないのがネックですが、個人的に今年のエロゲは一番期待しているので超注目。


4月22日発売というのがネックですね。復活して1カ月で冬眠するのもどうなのかな、と。

さて、地味に去年の漫画今更振り返ろうかなと思うのですが、昨年は個人的にマーベラスな作品がいくつかありました。まず、「乙女のいろは」。


まあ、どんな話かと言えば、男勝りな姉と女々しい弟の双子が、ある日性転換してしまうという話で、この手の作品ではお約束のちょっとエッチなエピソードもばっちりです。まあ、これだけではただの萌え漫画かと思われるでしょうが、まったくその通りでもあり、しかしその先に何かがあるのではないか、という話です。


その先

説明しましょう。これは、男になってしまったものの、ついつい何時もの癖で女物のパンツを履いてきてしまったでござるの巻きです。つまり、「ガサツな女の子→男の子になっちゃった→女物のパンツ履いてきちゃった=オッケーイ!」という方程式が成立するわけです。で、それがどうしたと言われれば、別にどうもしないわけですけど、可愛ければいいじゃん

バカバカしいばかりでなく、やはり内容を重視したいという方には、「あめのちはれ」を猛烈に薦めたいところです。


少年の心と体が触れ動くのです。雨が降ると男子が女子に性転換してしまい、女子になっている時は女子校へ行き二重の学園生活を送るという、私のストライクゾーンど真ん中を投げています。しかも真面目に、性転換した内面をビシビシと心理描写が素晴らしい。

「思春期の男子→性転換=どうなんねん?」という部分を、ビビッドな感性が丁寧に描かれて、マーベラスです。しかも、巻の終わりの引きの強さが半端でなく、もう続きが気になって仕方なくなるという構成ですよ。これは素晴らしい!

で、個人的にお気に入りなのは、初めてブラジャーを買いに行くシーン。なんつーか、真面目に丁寧に描かれている作品の中に、オレたちオタク心をくすぐるシーンがあると、嬉しさがこみ上げるような。


初めてのブラジャー

うむ。ニヤニヤせざるを得ない。逆に考えてみましょうか。例えば、やぶうち優先生の「ないしょのつぼみ」で、小学生が初めてブラジャーを買いに行くシーンは、ほぼ毎シリーズあり、ニヤニヤするのも確か。で、いくら性転換したとはいえ、女子高生が初めてブラジャーに四苦八苦する姿はGJとしかいえません。これは続きが気になってたまらないですね。

そしてもう一つ、武田すん先生の「世界の果てで愛ましょう」は個人的にけしからんですよ。宇宙規模でけしからん。


簡単に内容を説明しますと、異世界の王子が地球の子に惚れてしまった。しかし、その子は男の子だった。ならば女の子に変えてしまえ…という実にけしからん話です。特にけしからんのは、ヒロイン(?)の涼馬くんが、男の子の時でもガチで可愛いことですよぉぉ。

いやぁ。これはやられた。登場する人物は変体しかいないし。実の兄に劣情を抱いて、女の子になったからいいのかとか本気で葛藤する実の弟とか、頭が悪すぎですよ(褒め言葉)。

で、キモは尻相撲なんですが。


尻相撲

なんでこうなったかとか、そういう説明は一切不要。擬音が「プニ、プルン、プニ、プルン」ということに注目しておけばいいんです。いや、これマジで頭が悪いわ。もう、ニヤニヤしまくって部屋中転げまわってました。

と、去年はTSFものの作品がスマッシュヒットしていたんですが、個人的に最も注目なのは時計野はり先生の「逆転ハニー」をグンバツで刮目したいところ。


幼馴染の男女が、性転換してしまうわけで、まあよくある設定なんですが、作者が時計野はり先生だというところに嫌でも注目せざるを得ないわけです。で、読んだ感じ、ニヤニヤして素晴らしいです。しかし、オレ的には、こんなもんじゃないだろという気持ちがあったり。というのも、前作「お兄ちゃんと一緒(AA)」が、超名作だったからです。血の繋がらない兄と妹という、それなんてエロゲ?という設定で、笑いあり涙ありの名作を描き上げたのです。義理妹・桜の可愛さも異常でしたが、なんといっても正兄ちゃんが桁違い。正に萌えてしまって、桜がすんごい可愛くて、さらに内容は家族愛を謳って感動でき、もう「お兄ちゃん一緒」はオレ的に殿堂入りの超名作なんですが、その時計野はり先生が性転換漫画を描いたといえば、注目せざるを得ないわけです。

んで、時計野はり先生は以前にも性転換ものを描いたことがあり、勝気な女子とクールで無表情系の男が性転換した「パラレル TO THE ワールド」、白馬の王子様を夢見るパッパラパーな娘と双子の弟が入れ替わる「ヒミツの扉のくぐり方」がありました。

どちらも性転換しても、視点が女の子から見て語られていました。物語の情報を把握するために一環してヒロインの視点で進められていました。


ヒロインの視点

性転換して男になろうが、元女の視点で描かれているからこそ、オレたちは熱烈に夢中になって、ふむふむなるほどとか言いながらニヤニヤしていたわけです。世に溢れるTSF系の作品の大半は、男視点で描かれています、もちろん、それでニヤニヤはするんです。で、「逆転ハニー」と比べると、何かが違う。


逆転ハニー

「逆転ハニー」は、ヤンキー系の男子とおっとり系の女子が性転換で入れ替わりドタバタコメディ。もちろん、ニヤニヤしてしまうんですが。で、気付いた点としては、物語を語る視点がほとんど男の視点であったこと。性転換しても男視点。

これでは世に溢れている萌え漫画と大差ないですよ。私は、べったべったな少女漫画的な視点で性転換したものを無意識に求めていたようです。

なんで、オレが義理の兄妹の「お兄ちゃんと一緒」が大好きだったのかといえば、ほぼ妹の桜目線で物語が語られており、それなんてエロゲ設定でも王道的に少女漫画してたからなんですよ。


桜視点

少女漫画で男視点の話も有りといえば有りなんでしょうけど、私はガッチガッチな王道が大好き。オタクに支持された少女漫画も、狙っているようで、きっちりと女視点で展開され、どっかで見た設定でも新鮮に映ったもの。

というわけで、私は「逆転ハニー」2巻では、おっとり天然少女の密香ちゃん視点で、男の子になってハワハワしているシーンに期待せざるを得ない。お風呂やトイレや朝起きた時に、どんな感じでテンパるのか、すんごく見てみたいよ。うっひょー!

といっても、「逆転ハニー」はもちろんニヤニヤしまくりで思わずガッツポーズを取るようなシーンは多数で、見逃せない漫画であることは変わりません。

個人的にキモは、初めてブラジャーをするシーンで決まりですよ。ええ、誰が何と言おうと性転換して初めてブラジャーを装着するのは正義である。


私の正義

素晴らしいな。オッケーイ!特に、キスをすれば性転換した二人が元に戻るという設定はなかなかあなどれませんな。

話が全然変わるんですが、エロゲで男主人公の視点からヒロインの視点で語られるのは良いんですが、ヒロイン視点でエッチシーンに突入するのは、どうかと思うよ☆


2010年03月17日(水)

暖かくなってきました。谷川史子先生の「おひとり様物語」の2巻読みました。谷川史子先生といえば、りぼんの乙女っチックな感じが印象深いので、いまだになかよし出してた講談社から単行本が出ることに違和感が。


2巻では、1巻に登場したキャラが再登場して、1話完結で続きが気になっていた話の続きがあり、特に気になっていた少女漫画家桃井織歌(29)が中学からの友達といい感じになり、おひとり様卒業かと思ったら、いまだにおひとり様継続中で、三十路を迎えていました。この二人はまた出てきそうな予感が…。

うむ、30前後の独身女性が主人公なのに見事におとめチックで、おひとり様の生き方が非常にマーベラスです。ところで、逆に男性のおひとり様がテーマで、40前後の男性のおひとり様ライフが描かれたら…、うん、考えるのを止めよう

話が変わるのですが、水沢めぐみ先生の短編集「3月の第2ボタン(AA)」も出てました。もう、これぞオレの大好きだった、乙女チックりぼんって感じですよぉぉ。ぶっちゃけCookieでやっている「キラキラひかる」はヒロインの言動がアレでどうも、という感じだったので。

いやー、やっぱり90年代のりぼん最強ですよ。なんというか、乙女チックというか、純粋培養された感じが良いんですよ。幼少からりぼんしか読んでなくて、りぼんで育ってそのままデビューした感じ(失礼な言い方だな、おい)

さて、昨年のジャンプといえば「バクマン。」が非常に注目されており、他の新連載はどうにも目立っていない印象があります。しかし、我々はとんでもない見過ごしがあるのではないか、と。

個人的には短命で終わった「あねどきっ」、最終回を迎えた「To Loveる」も、バトル展開に突入か?な「めだかボックス」も捨てがたいのですが、それらの影に隠れて、驚異的な逸材を見逃していました。今でもバリバリ、ブリブリとジャンプで地味に連載しているのです。その名も「べるぜバブ」。


簡単に説明しますと、不良高校生の男鹿辰巳が魔界の時期王、つまり魔王を拾って育てる羽目になった、魔王育成漫画…。見事に金未来杯を格闘して連載し、ジャンプですのでバトル路線になるのは必然。不良少年ですので、相手は高校の不良たち。そして、4人の東邦神姫(昭和テイストのするセンスだな)たちとの戦いが始まるのです…。

…、まさかジャンプでヤンキー漫画をやろうというのか。今までジャンプで当たったヤンキー漫画といえば、背中からバット出して「うるァー!」と叫んで喧嘩するだけだった「BOY」と、前田と互角のはずなのに、鬼塚に歯が立たず、しまいにゃインフレについていけなかった辰吉にもボッコボッコにされた島袋の強さが最大のミステリーだった「ろくでなしBLUES」ぐらいしか思い出せません。

正直、10週…、もって2〜3か月で打ち切られると思っていたのですが、ところがどっこい、私は信じられない奇跡を目の当たりにするのです。この漫画舐めてました。すみません。

東邦神姫の一人である、関東最強レディース、レッドテイルの総番を務める邦枝葵の登場によって、私は「べるぜバブ」の評価が急上昇ですよぉぉ。男鹿との出会いはベル坊が公園デビューした時に弟を公園に連れてきていた時。公園で見かけた葵に一緒に公園デビューしてくださいという意図でお願い。


公園デビューを一緒にして下さい

オレと、つき合って下さい

キタコレ

10週打ち切りになるんじゃないかとか思ってごめんなさい。邦枝葵の登場によって、「べるぜバブ」は一気に輝きだしたのです。その後も、ベル坊を育てるのを誰かに押し付けたい男鹿は、葵に対して「こいつの母親になって下さい」とか、「スクラン」の播磨くんの誤爆告白も真っ青の、愛の告白(のように見える)台詞の連発。

その都度、顔を真っ赤にして慌ててハワハワしている葵の可愛さが異次元に突入。ナニコレ?ギャグ漫画でもヤンキー漫画でもなかったんですよぉぉ。その後の勘違いの嫉妬も含めて100点満点だ。まいったな。しかし、大変な問題が、が。レッドテイルには「男作るべからず」という鉄の掟がありました。邦枝葵の明日はどうなる?

そして、なんやかんやで勘違いも解決して、さらなる勘違いもありますが、邦枝葵は「私が浮ついたせいで、皆に迷惑をかけたもの」と言って、レッドテイルを辞めて普通の(?)女子高生に戻るのでした。


普通の女子高生(?)になった葵姐さん

朝だった。だが、ただの朝ではなかった。ものすごく朝だった。おはよう世界。ここからが第二幕だ。
はじまったな、葵

もうね、石矢魔高校最強の東条とかどうでも良くなっていたんですよ。ただ、ただ葵姐さんの出番はまだかよ!と毎回思っていたんです。

で、男鹿の大ピンチに颯爽と登場したのは鳥肌立ったね。姐さんかっこよすぎだわ。以前の敵が助太刀するという展開はジャンプでは基本中の基本ですが、やっぱりかっこいいものはかっこいい。しかも、男鹿に対してはコレですよ。


ピンチに登場する姐さん

「…言っておくけど、カン違いしないでよ。あなたには借りがある。それだけだから!!」

ものの見事なテンプレ通りの台詞。素晴らしい!完璧です。そういえば2巻には姐さんのプロフィールがおまけページにあったのですが、以下のように書かれていました。

・面倒見がよく責任感が強い。
・父の影響で幼い頃から剣術をたたきこまれて男勝り、というか自分より弱い男に興味がない。その分恋愛関係にまったく免疫がないのが弱点

なるほどね。ふーん良いんじゃない。なんか、余所者に敗れた時、、相手が男なら結婚しなければならない女傑族みたいな感じで。

で、テンプレ通りのツンデレ台詞を言ったりして、これは、今後、葵姐さんの出番が増えるのか…。と、思ったら全然そんなことなくて、なんか魔界とか行って、もう何が何だか。おい、どういうことだ。

もう、「To LOVEる」も「あねどきっ」もないジャンプで、葵姐さんまでフェードアウトしたら、絶望してしまいますよ。が、新シリーズでついに葵姐さんが再登場するのです。しかもクラスメイトですよぉぉ(葵姐さんのほうが年上だけど)。ドッキッドキの学園生活です。

よかった。このまま、キャラはいいんだけど肝心のシナリオがガッカリだった藤林杏とか月島小恋みたいになってしまうのではないかと心配してましたので、ガッツポーズものです。しかも席が隣。赤くなってモジモジしている葵姐さんパねえ。さっさと男鹿と絡んで欲しいと思ってたら…。


ピンチに登場する姐さん

おいおい、まじで可愛いな。ちょっと今までとキャラ変わってねーかとも思ったりもしましたが、イメチェンしたしね。これから、このキャラでゴリゴリキメキメぶっちぎっちゃうんでしょうか。しかし、新シリーズは葵姐さんの出番が多くて大満足です。


2010年03月19日(金)

「少女素数」読んでホクホク。ハーフの双子の妹でお兄ちゃん大好きというだけでお腹一杯なのに、一緒にお風呂でオレ野臨界点突破ですよおおお。


さて、先月「となりの怪物くん」の第4巻が発売されました。1巻発売した時も、ちょこっと取り上げましたが。4巻読みました。はじまったな。「となりの怪物くん」がはじまった!


ぶっちゃけ1巻が出た時の感想は「?」でした。勉強に一途で他の事に一切興味のない雫と、問題児ハルの掛け合いは、確かに面白いしニヤニヤできる。初期の「彼氏彼女の事情」のような設定で、変人ばかりの登場人物は確かに面白い。しかし、「ボーイ×ミーツ×ガール(AA) 」や「ひみこい(AA)」でニヤニヤどころか、胸キュンしまくって、あやうくキュン死しかけた身からすると、満足はではなかったのです。正直、もっと面白いはずだろ、と。

どうやら、私は短編集でニヤリング&ローリングで身悶え3回転半を記録したことで、ろびこ先生初の連載作品に、勝手に期待値をあげまくっていたんです。エロゲ体験版をプレイして、これは名作に違いないとワクワクして買ってみたら、それほどでもなかった感じ。

しかし、「となりの怪物くん」は巻を追うごとに面白くなっていき、2巻ではハルが雫に異性として惚れ、3巻では期待していた通りにマーベラスな展開でニヤリング&ローリングで身悶え3回転半を記録したのです。雫の可愛さがとんでもなかったのです。



この後、一人で雫の可愛さにほくそ笑んでいるハル同様に、オレも思わずニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべていました。この胸きゅんが俺の求めていたものですよぉぉぉ。学園祭の時点で、何かがはじまる感じはしました。「季刊S(エス)04月号(AA)」にろびこ先生のインタビューが掲載されているのですが、この何かがはじまった感を以下のようにおっしゃっていました。

もともと青春群像劇をやりたいという気持ちはあったんです。でも最初はこんなに続くと思ってなかったし、自分がどういうものを描けるかも、よく分からなくて、まずは二人のキャラを立てなきゃ、と。でも少しずつキャラクターも出て、育ってきて、三巻くらいで、「そろそろ、いっちゃって良いですかね?」という感じでGOが出ました(笑)。

はー、なるほど。青春群像劇をやりたかったんですか。オレのろびこ作品のイメージだと男女2人のエピソードを、絵とか構造とか話を上手く練り込んで丁寧に王道少女漫画に仕上げるというイメージだったので、いろいろな登場人物にまつわる、話を交錯して描いていく群青劇というのは対局のような感じでしたが。「彼女がいなくなった(AA)」に収録されている「カラクリ演劇堂」を拡大させた感じか。

で、「となりの怪物くん」が青春群像劇の様になった3巻はグンバツに面白くなりました。期待どおりです。胸きゅん確実。で、4巻。オビには「役者は揃った。みんな、恋にはまりだす。

―降参、降参です!!
とハルに初めて告白した雫のごとく白旗上げざるを得ない。期待値を遥かに突破してしまいましたよおお。ナニコレ、いい意味でやばすぎ。

雫は相変わらず可愛い。そして、雫がついにハルに二度目(厳密には三度目)の告白をするのです。ここに至る流れがマーベラスすぎる。よく、雫がハルと過ごした出来事を唐突に回想する事が多々あります。今回の回想では、子供のころの金魚の思いでを語り、ふと回想。


雫の回想

―そういや、あの時も
私は同じようなことを思わなかったか?―……

雫が「あの時」といって、ハルとの思い出を回想するのは、何気に重要ですよおぉ。きちんと、「あの時」も絵写されています。例えば、学園祭ラストでニヤニヤしまくりのハルと向き合おうとした時。


あの時

あの時、私は感じたのだ。」

学園祭の時の回想の「あの時」とは、屋上で居眠りしてハルに膝枕された時。初めて授業をサボることになった雫は、午後の屋上の空が青いと気づき、世界が広がりました。今まで雑音(ノイズ)だったものが心地いいと思い、「気持ちいい」と思うのでした。

雫の回想の「あの時」は、確かにあったエピソードで、13話「0と1」での「あの時」は、ハルの兄貴が登場して、ハルがいなくなってしまうかもというエピソードがあり、朝の登校風景でふと思うのです。


13話における、「あの時」(7話)

「…いつからだろう。この光景が見慣れたものになったのは」
「いつかのハルの言葉を思い出す。私が離れていくことを、怖いと言ったハル。今なら少しわかる気がする」

ハルがいる事が当たり前の光景となったシーンを「あの時」と言って思い出しました。これだけでは正解に辿り着けない。まだ慌てるような時間じゃない。13話「0と1」でのキモは、子供時代の水がめで金魚を飼おうとしてダメになったことを話しながら、「あの時、私は、もしかして淋しかったか?」と自問する雫ですよ。

また「あの時」か。「となりの怪物くん」を読む時は、雫の「あの時」は要チェックや!で、図書館でヤマケンと出会って、文化祭でヤマケンに言われた言葉に感動して人と向き合おうと思ったことを告白。ヤマケンが文化祭で言った言葉というのは。

さみしいっつーのは、相手がいるから感じるもんだよ

すんごい名言だな、おい。つまり、「淋しいと思う→相手がいる→ハルがいる→オッケーイ!」ですよ。13話「0と1」の収束しっぷりに感動。この流れで、14話で満を持しての告白ですよぉ。

初めて告白して「ハルに私を好きになってもらってから、また言う」と言ったいました。心の中で「他人の気持ちは想像しかできない。想像でしかないなら、ぶつかってみるしかない」と思っていました。ハルが好きになりすぎて、勉強が手に付かなくなって、ハルをただの友達だと言いました。でも、やっぱり好きですんごい可愛い顔しながら「また勉強も手につかなくなるほど、ハルを好きになっちゃうのか?」と言っていた雫。

恋愛と勉強と両立できると気持ちを整理して、満を持してハルに再び告白するのです。この流れは素晴らしい。マーベラスです。もう迷わない。ハルと頑張ろうと決めました。もう流れは完璧。私も万感の思いで、雫の再告白を見守り応援しました。雫がはじまった!もう、この2人が上手くいかないはずがない。

行け、ドライアイスのガリ勉。出よ、何考えているか分からない問題児!


!?

―だめだった

…、でも主役2人ははじまらなかったけど、他のキャラははじまりまくりですよ。例えば、メガネ学級委員長の大島さん。なんか相変わらず報われない感でも、一途にハルを思う言動にぐっときますよ。まあ、分をわきまえているんですが。そういえば、エスのインタビューでは、大島さんが登場した秘話が語られていました。

基本的には、こういうタイプのキャラクターがこういう反応をしたら面白いなとか、キュンとするかもなという感じでやっているので。その一番が、大島さんみたいな委員長タイプに「キンタマついてんのか!!」って言わせるという(笑)。大島さんは、それを言わせたいがために生まれたキャラクターだったんですよ、もともとは(笑)


大島さん

今明かされる衝撃の事実!
大島さんは、はじまりがキンタマだったのか。

ええと、4巻から何がはじまったのかといえば、夏目あさ子がはじまったんです。みっちゃんに陥落(おち)てしまったんです。その様子が可愛いんです。すんごい可愛いよ!4巻のキモは、夏目さんの可愛さにつきる。ぶっちゃけ原稿用紙100枚分ぐらい夏目さんの可愛さを語ろうかと思ったけど自重して。ずばり、夏目さん目線の構図にときめきがとまらない。

絵の中に自分の視点が入ると言われた、「ワンピース」の尾田先生は構図について以下のように語っていました。

「要するにカメラの位置なんですよね。同じものを描いても、カメラをどこに置くかで、絵はまったく変わってくる。(中略)
カメラを引くと、近くの人も遠くの人も似たような大きさになってしまうんですよ。僕の場合は極端に大きく、遠くの人はすごく小さく描きたい。そうすることで奥行きも出てきますしね。」

尾田先生の言葉で言えば、ろびこ作品はカメラの位置が近い。というか、キャラと同じ位置にカメラがあります。で、さっき回想にも使った7話。


7話

上のコマどアップ。下のコマでは雫と同じ位置のカメラ。つまり、雫から見たまんまの目線。このキャラが見た目線が「となりの怪物くん」というかろびこ作品ではかなり多く使用されています。4話で夏目さんがみっちゃんをじーっとガン見したのと比べ、ファミレスでみっちゃんを見る目線がもうね。


夏目さんが見た

みっちゃんを見る夏目さん視点、背景キラキラしてるよ。うん、これは陥落ちるね。しかも、みっちゃんを見つめる夏目さんの面構えの可愛いこと。すんごい可愛いよ。

もう夏目さんの可愛さは完璧です。その後の、みっちゃんをまともに見れないのがマーベラスすぎて、床をゴロゴロと転げまわるほどの破壊力。オッケーイ!です。

あ、4巻のキモはヤマケンのツンデレっぷりなんですけど、もう長くなったからいいや。カバーめくると公認で「あて馬」宣言されたヤマケンに幸あれ!とにかく、4巻ははじまりすぎてニヤニヤせざるを得ない。


2010年03月20日(土)

アフタのおまけ、四季賞の冊子は家宝です。

死刑制度が廃止された世界で、懲役300年など、人間の寿命を遥かに超える懲役年数が言い渡される法律。そこでは、罪を追った本人が死んでしまったら、クローン人間が変わって懲役年数を受け継ぎました。クローンと言っても、記憶や性格などは受け継いでいるわけでなく、遺伝子が同じというだけ。クローン人間の主人公は、オリジナルが犯した罪を償いながら葛藤するという、グンバツな設定で考えさせられた「囚われクローン」。

四季大賞を取った「魔女が飛んだり飛ばなかったり」も逸材。世界に13人の魔女がおり、世界を守って来た魔女だけど、一般の人間からは排除されている感じ。そんな魔女たちに、地球に衝突する隕石から、自分の命と引き換えに世界を守るという最後の任務が。魔女の一人ナツオ様とあくまで一般人の主人公の関係が最高にマーベラスでした。どう考えてもニトロプラスの「スマガ」はこの漫画の影響受けたよな。

さらにアフタ本誌に掲載された読み切り「都市伝説だよ都市子さん」も素晴らしい。と、ハイクオリティーの話を連発させまくりの太田モアレ先生が、初の連載もの「鉄風」の単行本が出ました!1、2巻同時発売です!


総合格闘技をテーマにしているというのですから、たまりません。総合の漫画といえば、修斗を扱った「オールラウンダー廻(AA)」もお勧めですが、この「鉄風」は脳から変な汁が出てくるほどの面白さ。読んでて鳥肌立った!オビもテンション上がりまくるです。

新・本格格闘技漫画!!!!

なにが「新」なのでしょうか。女子高生の格闘技漫画というのは新しいっちゃ新しいですが。

ちなみに、作者、太田モアレ先生は「昔ながらの熱血少年漫画のノリを目指して描きました」とコメント。なるほど、総合格闘技が大好きで、「リンジィと、リング上で闘いたい…」と親友と戦いたいがために、学校で部活を作ろうとし、実力も十分で楽しそうに総合格闘技に取り組む熱血バカ。うん、一直線の青春っぷりが、昔ながらの古き良き少年漫画のノリですね。


↑主人公

…ん。
熱血一直線の天才、ゆず子。それを、倒してやろうとするライバルキャラ…、って主人公こっち?どう考えてもライバルキャラとしてキャラが立ちまくっている石堂夏央が主人公。「私は充実している人間を、許さない」とかナチュラルに黒いです。

この黒さが際立ったのは、空手部へのかち込み。夏央は昔、空手をやっていたようで、過去の勘を取り戻す為に、空手部の主将(彼女とも因縁がありそう)を踏み台にしようと道場破りのようなことをしますが、あいにくの不在で、他の部員を「見た感じ他は論外かな…」と満面の笑顔で見下したり。すんごい黒いよ!どう見ても悪役としてキャラ立ちまくりです。本当にありがとうございました。このような悪役をプロレス用語ではヒールというのですが、彼女はヒール役がはまりすぎ

また、ヒールに対して善玉をベビーフェイスといいます。プロレスならば、ベビーフェイスがヒールへ挑む姿に感情移入して、手に汗握るもの。が、「鉄風」は極悪ヒールがベビーフェイスにまったく歯が立ちません。で、潰しがいがある事を確認し、強大な相手へ挑戦する事を決心するのでした。


挑戦

極悪ヒールが善玉ベビーフェイスに挑戦する!…なるほど「新」というだけあって新しいな、おい。で、これに感情移入できるかどうかは分かりませんが、展開的にはすんごく燃える

試合に至る流れまでに、あらかじめ段取りや筋書きが決まっていて、リング外で注目を集めようとする事を、プロレス用語でアングルといいます。このアングルというのは、格闘技の世界でも存在し、「鉄風」は、このアングルまで描くのです。格闘漫画でアングルを描くなんて、新しいな。女子格闘技のトーナメントが開かれることがテレビで中継され。


女子高生に男の格闘家が失神KO

去年引退した竹中理祐が、女子高生リンジィとのスパーリングで失神されるシーンが流れます。夏央は、ものの見事にアングルに乗せられて、ブルッと震えてしばらくテレビを睨みつけていました。世界最強の格闘家の娘が実力のある男格闘家を瞬殺。話題性十分です。そして失神された格闘家の弟子が、そのトーナメントへ出場を発表。ここまでは筋書き通り。

アングルであったと語られるのに、竹中選手が実は骨折していたという、リアルでは考えられないハッタリも最高ですよおお。つき抜けも大事である、と。「キン肉マン」のゆでたまご先生は、格闘表現を以下のようにおしゃっていました。

格闘マンガをもっと究めようと思ってます。絶対に、この分野では負けたくない。プロレスラーとか格闘家にも、ゆでたまごはすごいことを考えるな、と思ってもらえるようなものを描いていきたいです。だからといって、ただリアルに描くだけではダメなんですよ。「キン肉マン」に、プロのファンが多いのは、そこなんだと思う。僕らの描くものは、つき抜けてますから(笑)

つき抜けも重要である、と。

また、人によっては、やらせ感満載のアングルを嫌う人もいます。ボクシングの亀田兄弟なんて完璧TBSが描いたアングルです。逆に、アングルと分かっていても、あえて乗って楽しむというのも人それぞれ。

で、話題を提供して注目させるようにするアングルの中にもガチのものが存在します。これをナチュラルアングルというのですが、「鉄風」はやらせのアングルに乗っかりながら、いつの間にかナチュラルアングルと化していく様が最高に燃える。

トーナメントに参戦を表明した紺谷が、アングルに乗っかりながらも、「ヤラセだろうが、なんだろうが、あの子は竹中さんに勝っちゃったの。その事実は残るわ。そんなの許せないじゃない。」とスイッチオン。さらにテレビで失神KOを食らった竹中も、リンジィの親父の挑発にスイッチが入ってしまったようで、現役復帰を決意したようです。で、夏央とゆず子は、すでにナチュラルアングルが発生してました。

で、両雄が見開きで対立。


相対する

熱いな。アングルだった一連の話からナチュラルアングルに変化する流れ。それを、この見開きで完璧に対立していることを決定付けさせる。燃えるな。マーベラスですよおお。

ちなみに、女の子わんさか出てくるのに、萌え要素がまったくないです。燃えですね。


2010年03月21日(日)

サイトを色々いじりたいけど、めんどくさいな。あと、「ハヤテのごとく!」のシール付きサービスパックと「変ゼミ」4巻の限定版の予約がアマゾンで開始されたようです。
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さて。「ワンピース」が…、なんだコレ?脳から汁が飛び出しまくってくるぞ。良い意味でヤバイです。まず、574話「ポートガス・D・エース死す」。おいおい、マジかよ。尾田先生は「ワンピース」における生死の概念について、以前以下のようにコメントしていました。

だれか死んでいるのがイヤなので、基本的には人は殺さない。絶対の決め事じゃないけど、後味のよさを大切にしたいから。

死んだ人が生き返るぐらいだったら、最初から死ななければいい。死ぬような目にあっても、うちのキャラクターは死なないんです。

と、緋村剣心ばりに「殺さず」を実行していたのに。今まで、ワンピで死んだキャラといえばツメゲリ部隊ぐらいしかいなかったので、ショックでかいです。しかし、散り様は感動してしまった。

何度も出てくる回想によって、シャンクスがフーシャ村に訪れた時に、なぜ一緒に育ったはずのエースが出てこなかったのかという、1話でエースが登場しなかった謎が一応解決。


ルフィとエースの出会い

生まれて直ぐ、赤ちゃんの頃からエースはどこかでダダンに育てられたと。そして義理兄弟となるルフィと出会いました。以前にガープが言っていた「最終的には友人に託し、エースと共に修行させた」というのがダダンだったようです。この時、既にルフィは麦わら帽子を被っているので、1話の後か

エースは「おれは生まれてきても良かったのか」という答えを知りたかったらしいのですが、そもそも、エースはどういう経緯で自分が海賊王の息子だと知ったのでしょうか。子供時代から自分の父親で凄く悩んでいるように見受けられます。ガープが教えたのか。

いや、一連のガープの行動からして、それはちょっとなんじゃないかな、と。同じように育ったルフィは、自分の父親がドラゴンだという事を最近まで知りませんでした。父親がいることすら知らなかったし。そして、558話でルフィがドラゴンの息子である事が全世界に公表された時に。


ガープ

もう隠す意味もないわい…ルフィは、すでにそんなレッテル、物ともせん程の無法者…」。

はい、これ凄い重要ですよ!テスト出ますよ。ガープはルフィの出生を隠していたんです。なぜかといえば、ルフィを立派な海兵にする為に隠していた、と。まあ、センゴク元帥と赤犬は知っていたけど。で、同じように強い海兵にしたかったエース。


強い海兵に

ガープの一連の言動からわざわざ出生の秘密をエースに言うかなぁ。ダダンも「誰の子!?」とエースの出生を知らなかったようだし。ルフィは、自分の父親を知らなかったのに、エースが海賊王の息子であることを知ってたし。逆にエースはルフィ本人が知らなかったルフィの父親を知っていたし。これはどういう事なのか。ルフィはエースから聞いたのかな?


エースも知っている

「せっかくすげェのに、会った事ねェんだと。これ言うとエース怒るんだけどな」

この台詞からは、ルフィはエースから直接聞いたわけじゃなさそう。そうすると、やっぱりガープから聞いたのでしょうか。まあ、ガープならついうっかり言ってしまいそうですけど。とりあえず、ルフィとエースに海賊王の血を、第三者が教えているようです。

また、センゴク元帥ですら「我々はようやく気づいたのだ…ロジャーの血が絶えていなかった事に!!」と、どうやって気付いたのかも気になるところですが、2年前になってようやく知ったようだし。少なくとも18年間は、ガープは誰にもエースの出生を言っていないような感じがするけど。オレ的にはルージュの出産に立ち会っていた3人組が引っ掛かる。


3人組

海賊王の血が途絶えていない事を知るのは、世界中でガープを入れて、この4人だけ。凄く気になりますね。一人は産婆か?もう一人は医者…か?もう一人は…?うーん…どうなんだろうねぇ。

と、話を大幅にそらしてエースが死ぬところを先延ばしにしたものの、やはりエースの死亡は確定か。そもそも「ポートガス・D・エース死す」という直球のタイトルだったもんね。では157話「エース登場」というタイトルが何だったのか。「○○登場」というタイトルは何度かありました。

3話 「海賊狩りのゾロ登場」
8話 「ナミ登場」
23話 「キャプテン・ウソップ登場」
43話 「サンジ登場」
139話 「トニートニー・チョッパー登場」

と、157話「エース登場」まで、「○○登場」というタイトルで出てきたキャラは全て仲間になっていたので、エースも将来は仲間になるのではないか、と期待値が跳ね上がりました。その後、ロビン、フランキー、ブルックの加入で「○○登場」の法則は、崩れ去りました。では「○○登場」というタイトルは何だったのか、と。特に意味がなかったのか、いや、伏線王である尾田っちなら何かしらの意味があるはず…。

しかし、ここでエースが逝くのか。悲しいですね。しかも、死の間際で、ルフィに死なない約束だろうと言われれば…。


死に際の台詞

「…そうだな。…サボの件と…お前みてェな世話のやける弟がいなきゃ、おれは…生きようとも…思わなかった…

まだまだエースについては謎が多いのに、また伏線出ちゃいました。「サボの件」とは何でしょうか。すんごい重要っぽいです。エースに生きようとさせる決心をさせた出来事のようですが。ルフィに語りかけているので、ルフィも知っている出来事でしょうか。そうなると、エースが処刑台へ上る時の回想が引っ掛かります。


処刑台に上る時の回想

おれ達は絶対に、くいのない様に生きるんだ!!!

2人で海を眺めながら海へ出ることを決心しています。これはどういう事でしょうか。誰か悔いの残る生き方をした人でもいるのでしょうか。これがサボの件?まだまだ、ルフィとエースの間には色々と分からないことが多いです。どうでもいいけど、体育座りしているルフィが可愛いな、おい。

こうして、まだまだ気になる事を残してエースは逝きました。感動しました。「生まれてもよかったのか」という答えが見つかって、泣きながら感謝する姿に震えます。「今になって、命が…惜しい」とガープに告白し、「愛してくれて…、ありがとう」と泣きながら逝く。なんという展開、大感動。


エース

安らかな笑顔。はぁー、死に際の笑顔。これが「ワンピース」ですよおお!ベルメールさんも、Dr.ヒルルクも、死に際に笑顔。死ななかったけど、ペルも、時限式砲弾を爆発前に空高く運び爆発の瞬間、にこっと笑いました。ルフィもローグタウンで死を悟った時「わりい、おれ死んだ」と笑いました。「ワンピース」では死ぬ時、笑うんです

その最もたる人物が、エースの実の親父、ゴールド・D・ロジャー。


笑った

圧巻です。死に際の笑顔は「ワンピース」の美学。この2話後に大海賊"白ひげ"も逝き、頭部半分崩壊で太陽を背負って顔がよく見えませんが、絶対に笑顔だったはず。続きます(ドン)。



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