ビズインターナショナル

  
 
平成22年5月10日


代理店各位

仮想空間の開発に関するお知らせ

株式会社ビズインターナショナル
代表取締役 石原茂男

謹啓
 早春の候、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
 仮想空間の開発に関する経緯並びに現在の状況について、ご報告をさせて頂きます。

経緯

1 仮想空間の一般公開(平成21年6月予定)

 弊社は代理店の皆様に、仮想空間の一般公開は平成21年6月予定である旨お伝えしてまいりました。これは、弊社の代理店募集以前より仮想空間開発を行っておりましたフレパー・ネットワークス株式会社(以下フレパー社といいます)並びに弊社の取引窓口となった株式会社I.D.R(以下IDR社といいます)より弊社に対して知らされておりましたスケジュールに沿ったご案内であり、一般公開予定以前、予定に変更がないかどうかも確認を行ってまいりました。また動作環境についてのアナウンスもIDR社より与えられた情報に基づき代理店様に対し、告知してきた次第です。
 しかし、平成21年6月29日に実際に公開されたのは代理店様限定のテスト版(ベータ版)であり、動作環境も予定されていた仕様と異なっていたため弊社はIDR社に協議を申し入れました。その後、「一般公開するには同年9月まで時間が必要である」と連絡がありました。また弊社は「要求される動作環境が事前の情報より高すぎる」旨も抗議しておりましたが、それについては「動作環境について対応するなら10月15日まで時間が必要である」旨、伝えられました。
 弊社は代理店様への報酬原資となる仮想空間内インフラ収益確保を目的とし、「仮想空間内でのインフラを譲り受け、原資となる収益範囲を確定するため」IDR社、フレパー社に対し金員を支払っておりました。額は代理店様よりお支払いを受けた特定負担の大半(報酬原資を除く)である30億円以上となります。しかしこの通知を受け、それ以降の支払については慎重な態度を取らせて頂きました。


2 宮城県からの行政処分(平成21年9月)

 平成21年9月、宮城県より弊社に対し業務停止命令(宮城県内・4カ月)が発表されました。その際に弊社は「強引な勧誘行為が認められた」「仮想空間が実際に完成していないのに、完成されたものであるかのように表現している」等の指摘を受けております。事業統括者として勧誘行為について顧みるべき点も多く、また実際にそういった勧誘を受けられたという消費者に対してはできる限りの努力をもって対応してまいりました。しかし、仮想空間の開発状況については開発会社であるフレパー社、IDR社より具体的な説明や資料提供がなく、弊社としても困惑しておりました。


3 仮想空間開発に関しての重要な事実(平成21年9月)

 そのような中、株式会社キャドセンター(以下キャド社といいます)より弊社宛に内容証明による通知が届きました。内容は「当該仮想空間で使用されている都市データはキャド社が開発したものである。」「フレパー社はキャド社と契約しているので使用できるが、フレパー社はビズ社に使用許諾する権利は無いので、直ちに使用を中止するように。」というものでした。
 弊社は以前より「フレパー社がキャド社に対して開発委託している」という話をフレパー社社長 宮之内誠人氏より聞いておりましたが、その内容は「一部パンフレットやバードビュー等は使用できないが他は全て使用できる。」「キャド社を子会社化するので問題ない」という説明であり、またフレパー社は、弊社が仮想空間を「エクシングワールド」という名前でオープンする旨も了解しておりました。
 しかしキャド社の通知が事実であれば、弊社が代理店の皆様にご案内したことは全て実現不可能となるため、平成21年9月9日弊社は直接の契約先であるIDR社に対し「詐欺並びに不法行為による契約解除」の通知をいたしました。(IDR社は弊社に対し平成21年9月24日、「契約条項に基づく契約解除」を通知しており、IDR社並びにフレパー社の平成21年12月4日付ホームページ告知はこれを根拠にしていると思われますが、既に弊社が先に契約解除を行っております。)


4 仮想空間内での権利保全のために再契約(平成21年10月13日)

 弊社はフレパー社、IDR社を告訴する選択肢もありましたが、仮想空間内での代理店様の権利保全を第一と考え、フレパー社 宮之内社長立会のもと、原契約を巻き直す契約をIDR社と締結いたしました。内容は、代理店様の報酬原資となる仮想空間のインフラでの収益はビズ社に権利があり、仮想空間の開発についてはビズ社からこれ以上の支払はない(但しTRY/1コンテンツについては協議する)というものでした。弊社はこの契約をもってフレパー社・IDR社の開発継続の意思と代理店様の権利確保が成ったことを確認いたしました。 しかしこの契約事実は上記二社のホームページ告知に反映されておりません。弊社は二社の対外的影響に配慮し、その点について指摘はいたしましたが、現在まで反映されていないことについて異議を申し立てては来ませんでした。


5 仮想空間の一般公開(平成21年10月15日)

 IDR社と契約した直後、キャド社からの通知を考慮し、ビズ社が「エクシングワールド」として発表するのでなく、フレパー社が従前から開発してきたという「Phantom」という名称で発表することとなりました。
 しかし一般公開に際しても、弊社がフレパー、IDR両社より受けていた情報により予定していた仕様と余りにも違う仕様での発表となりました。


6 消費者庁より行政処分発表(平成21年11月)

 弊社は事業内容について、かねてより行政からの指導・要望に基づき資料を提出してまいりましたが、その際に指摘されてきたことは、勧誘行為の問題と、実際の仮想空間の開発状況が事前の謳い文句と違いすぎる、ということでした。前述した通り、弊社としては勧誘行為に問題が発生しないよう、また発生した問題については速やかに対応するよう努めてまいりました。しかし、実際に発表されている仮想空間の現状がパンフレット等の告知と違いすぎる、代金を受け取っているにもかかわらず土地(バーチャルエステート)の実装がなされていない等、開発状況に依存する不実告知が非常に多く、仮想空間について事前の発表ができなかったことも大きく影響し、消費者庁より行政処分が発表されることとなりました。


7 消費者庁発表以降の経緯

 平成22年1月課金機能を実装する予定であり、仮想空間内でのエリア実装もそれ以降順次と発表されておりましたが(Phantom公式ホームページ参照)、平成22年2月1日に実装された課金機能は、IDR社の事業内でのみ使用可能かつ、仮想空間内では残高照会ができるのみという極めて限定的なものでした。弊社は課金機能実装前に「本当に実装は可能なのか」と確認をしておりましたが、開発会社側からは「既に開発済みであり、可能である」という回答があるのみでした。
 弊社は今まで、代理店様の権利保全を第一に考え、また開発会社の立場を尊重して各発表を行ってまいりました。
 しかし上記のような仮想空間公開の現状を鑑み、支払済み金員の使用明細と仮想空間の開発仕様書を提出して頂けるよう昨年よりIDR社に依頼してまいりました。
 しかるに過日、IDR社に使用明細と仕様書の提出義務はなく、逆にビズ社が支払を滞らせているのが原因で仮想空間が完成しないのであるとの回答がIDR社より為されました。更に、弊社がフレパー社に対し18億円の開発費用を支払うことを約束する確認書を提出するよう要請がありました。
 そして平成22年3月25日、ビズ社が協議に応じないことを理由として合意を破棄し、弊社が金員を支払わなかったことによる損害を賠償するよう提訴し、また代理店様の仮想空間ログイン用のID・パスワードを削除する旨、IDR社より通知がありました。
 しかしフレパー社、IDR社は弊社より上記のような金員を受領しただけでなく、代理店各位に独自に勧誘を行い、金融商品の販売等を行っているとの情報が弊社に寄せられております。またIDR社が代理店様に対して販売を行った携帯端末についても引渡しが再三にわたり延期しているとの情報も寄せられております。

 経緯並びに状況報告については以上です。
 弊社からの要請に一切対応することなく、この度IDR社より一方的に合意が破棄されたことで、弊社はフレパー社並びにIDR社は仮想空間を開発する意思がなかったと判断いたしました。
 今後弊社は、IDR社並びにフレパー社に対し、支払済金員の返還請求手続を進め、返還された金員をもって、代理店の皆様のお申し出に対応することをお約束いたします。
 弊社の対応につき、特段のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

謹白