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「嘉手納以南」大規模返還も ローレス米国防副次官2005年10月14日  このエントリーを含むはてなブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 twitterに投稿する

 【東京】在日米軍再編協議で来日中のローレス米国防副次官は13日、「嘉手納以南の返還と海兵隊司令部のグアム移転、普天間飛行場の移設問題はパッケージ(ひとまとまり)だ」と述べ、普天間移設問題の決着を条件に嘉手納飛行場以南の基地を返還する考えを明らかにした。「嘉手納以南返還」とは、牧港補給地区(キャンプ・キンザー)や那覇軍港の全面返還、キャンプ瑞慶覧やキャンプ桑江の一部返還を指すとみられる。この日の審議官級協議で日本は普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部(兵舎地区)への移設案を正式に提示、日米間で引き続き検討することになった。

 米政府高官が本島中南部の基地返還を明言するのは初めて。自民党日米安保・基地再編合同調査会の額賀福志郎座長や前原誠司民主党代表との会談で述べた。「海兵隊司令部」とは、キャンプ・コートニーの第三海兵遠征軍または第三海兵師団の司令部を指している。
 ローレス副次官は額賀氏との会談で「普天間が片付けば基地の(日米)共同使用や海兵隊削減などのパッケージで理解を得たい」「海兵隊の大幅移動も考える」と言及した。「嘉手納以南の返還」は前原氏との会談で述べた。
 同副次官は「辺野古の問題が片付かないと嘉手納以南の返還や海兵隊司令部の移転は見直さざるを得ない」とも述べ、普天間移設が決着しないと他の基地も返還しない、との姿勢を示した。これに対し前原氏は「そのやり方は県民、国民の気持ちを逆なでする」と反論した。
 額賀氏は普天間の沿岸部への移設方法として、海上部分は埋め立てでなく、杭式桟橋(QIP)とする方式を提案。同副次官は「すぐに分かったとは言えない」と即答を避け、「浅瀬案が最善」としつつ、沿岸案について「議論する必要がある」と検討する姿勢を示した。前原氏に対しては「問題はあるが、検討に値する」と述べた。
 同副次官は「普天間移設で(沿岸案、浅瀬案などの)どんな結果が出ても、決まった以上は日本政府がやってもらわなければ困る」とも述べ、辺野古沖移設を決めながらこう着状態となった日本側の対応を批判した。
 ローレス副次官はこの日午後、日本を離れた。同氏が沿岸案検討の姿勢を示したことで、内陸案・浅瀬案で対立していた日米協議の展望が開けた形だ。政府は協議を続け、29日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で再編の中間報告をまとめたい考えだ。


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