(cache) @nifty：デイリーポータルZ：ゆるキャラを眺めながら、埼玉Ｂ級グルメを…

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ひらめきの月曜日


人ごみをかきわけて、コバトン（埼玉県公式キャラクター）がやってきた。後ろに、他のゆるキャラが続く。

「コバトンって、埼玉の県の鳥、シラコバトをモチーフにしたキャラでしょ？」
「そうそう。ドバトとあんまり変わらないカラーリングの鳥」
「県のオフィシャルのキャラでしょ？」
「国体のマスコットもやってましたね」
「いいの？　自分から『ゆるキャラ』って名乗って」
「今回、埼玉のゆるキャラの団長らしいから、いいんじゃないですかね」
「……」

下手なタレントを呼ぶよりも、全然盛り上がってました。お客さん、笑顔！


左：行田のＢ級グルメ、「フライ」の形をした、こぜにちゃんとフラべえ。右：草加せんべいのキャラ、パリポリくん。両手がセンベイでふさがってるので、子供にアピールするのが大変そうでした。


一番人気だった「ニャオざね」、熊谷のキャラクター。ネコ型ってハズレがない気がする。水玉のパンツとか、夏っぽい格好をしてるのは、ひょっとして暑さ対策…？　公式サイト見たら、「着ぐるみが無料レンタル出来る」らしいぞ。何か理由つけて借りてみたい。


左：日高市の「くりっかー」と「くりっぴー」。基本は鳥だけど、身体は栗、頭は曼珠沙華がモチーフらしい。くりっかーくん、目がうつろ。右：……誰だっけ！？　調べたんですが分かりませんでした。すいません、誰か教えてください…。


左：北本市の「トマちゃん」。ストレートすぎるネーミングです。右：さいたま市の「つなが竜ヌゥ」。さいたま市の小学生の家に居候してるっぽい…んですが、そうでもないかもしれない（公式サイトのマンガ内で、そのへん曖昧なんです、さすがゆるキャラ。）


左：三郷市のかいちゃん。「かいつぶり」をモチーフにした鳥さんキャラです。右：秩父のキャラ、「ブコーさん」武甲山をもとにして、林家たい平さんがデザイン。今年作られたキャラで、今回のイベントで本格デビューなんだとか。

川越市のゆるキャラ、身体はイモで頭が「時の鐘（観光名所）」。この子も今年デビューで、名前募集中。しかしゆるキャラ、やたら増殖してるのね…。

着ぐるみとの、交流タイム。遠目に見ると、ちょっと悪夢っぽい。こういう行事が、いろんな地方で行われているんだろうなあと想像すると、少し気が遠くなる。


大勢の客の中で、コバトンの後頭部が、何故か寂しく見えたのは、気のせい？

「個人的には加須市の『こいのぼりん』に出演してもらいたかったけど」
「こいのぼり型の着ぐるみね。あれはビジュアルショックだよね、モロ顔が鯉のぼりだから。ちょっとカンのいい子供だったら泣くね…」

ゆるキャラパワーに押され、再び列に並ぶ気にもなれず、疲れきった私たちは、大宮の「はやい時間からやってる居酒屋」に逃げ込んだ（ヒドイ）。
埼玉のサッカー選手も多く来店するという県内チェーン店、「力（りき）」だ。


アルディージャサワーというのを頼んでみた。とくにファンではないのですが。

大反省会開催。

「しかし、小麦粉を使った料理ばっかりだったわねえ」
「まあねえ。しょうがないよ、海産物もないし…。派手な料理は作れないよ」
「小麦粉、っていちばん安いものだよね」
「どこの地方も、昔から伝わる『お米の代用食』って小麦粉だよね。んー武蔵野丘陵って小麦粉の産地だしな。まあいいじゃない、200円だったんだし」
「ねえ、もし、来年も来るとして。今回みたいに失敗しないように、全商品制覇するには、どうしたらいい？」
「…最低、８人体制で３回転か。それでも２時間並ばないといけない」
「埼玉県のために、そんな人数、かりだせないわよ！」
「んー、４人だと４時間、６人だと２時間40分か…」
「早朝行って並べば、アサイチだったら、もっと早く回転出来たかもしれないわね」
「実際、根性で並んでる人、いるだろうしなあ」
「っていうか、私たち、根本的に、埼玉愛が足りないのよ…！」
「現状で都内に住んでるからって、都民きどりで…」
「いや、実際にクソ高い都民税払ってるから都民なんだけどさ…」
「埼玉の呪縛からは逃れられないねえ」

遠い目。

とか言いながらテキトーに頼んだ、「子牛のワイン煮」が、今日いちばん美味しかったメニューだったりしました。どっちかというと、串焼きメインのお店だったんですが…。

なんだかんだで埼玉を応援

後日、ニュースを見たところ、今回のイベントは
「過去最多の９万人が来場」で、「川島の『すったて』が初栄冠」だったそうだ。
すったて。資料によると、うどんを、味噌とゴマ、すり潰した野菜で作ったつけ汁で、食べるメニューなんだそうだ。さっぱりして美味しそうだ。
でも、これが全国区のＢ１グランプリに出場できたとして、激戦区を勝ち上がれるかどうかは…正直、ちょっと分からない。
だって、いくら美味しいとはいえ、野菜汁のうどんですよ。
確かに埼玉は、隠れたうどんの名所（「武蔵野うどん」と呼びます）だけれど、各地の強豪に勝てるのだろうか。すごく心配だ。

とりあえず今度、ソース焼きうどんの食べ歩きに、鳩ケ谷市に行ってみようかなあと、ぼんやり考えている。
…いや、その前に、我が出身地、鶴ケ島市（県内でもマイナーな市です）のB級グルメを探すべきだろうか？
悩む。そういうものが、存在する気がしない。
「おいしい飲食店」とか、１店舗探すのは出来るかもしれないが、ムーブメントなんてない気がする…。

こんな悩み、他の県民は持ってないんじゃないかと思う。
まず、美味しい海産物のありそうな、海のある県は除外。
そうすると、内陸県は栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県の8県。
…やっぱり、埼玉が一番特徴が無さそう。

しかし、なんにもナイところから、アイデアは生まれるに違いない。
がんばれ埼玉Ｂ級グルメ。
でも何時間も並ぶのは無理です。トイレも近いタチなんで。すいません。何か別のアプローチで、埼玉の真髄に近づきたいと思います。こそこそと…。

この金具は投票用のチップなんですが、私たちは投票しませんでした。２種類しか食べられなかったし。


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