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宮崎・口蹄疫3週間:処分6万4000頭 最悪 人手と埋却地 確保難

 宮崎県の家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)感染は、牛から豚へも広がり、勢いが衰えない。感染確認は9日までに56例、殺処分対象頭数は6万4000頭を突破し、既に過去最悪の被害となっている。発生は都農、川南両町とえびの市に設定された移動・搬出制限区域(半径10キロ・同20キロ)内にとどまるものの、防疫作業の人手は不足し、処分後の埋却地の確保も追いつかない。先月20日の発生から11日で3週間となる。【石田宗久】

■殺処分急増

 4月28日、豚へも感染疑いが確認され、一気に深刻の度合いが増した。豚の場合、ウイルス感染力が強く、1戸当たりの飼養頭数が多いため、処分頭数増加に拍車をかけた。

 9日現在の処分対象頭数は6万4354頭(牛4747頭、豚5万9607頭)。急増に埋却準備が追いつかず、半数が殺処分できないでいる。

 防疫作業に従事する県や町、JA職員の疲労も蓄積。防護服を着て1頭ずつ薬で殺処分するが、大きな牛が相手で危険も伴う。県は1日、陸上自衛隊に災害派遣を要請。さらに県外にも家畜の扱いに慣れた人の応援を求め、現在の約400人規模を近く倍増させる。

■農相も来県

 県は総額約33億円の予算を計上し、消毒や餌となる県産稲わらの増産、農家の金融支援方針を示した。人や物がウイルスを運ぶ可能性もあり、県内約20カ所の消毒ポイントでは、郵便や運送業の車両にも消毒を呼び掛けている。

 東国原英夫知事は10日、赤松広隆農相を迎え、対策を訴える。

■悲痛な願い

 感染疑いが確認された川南町の繁殖農家は和牛約40頭を飼育していた。殺処分後、経営者の50代男性は電話取材に「出産を控えた母牛、市場に出すのを楽しみにしていた子牛もすべて失い、悔しい。ほかの農家に同じ苦しみを味合わせたくない」と声を落とした。

 同様に疑いが確認された川南町の養豚農家の30代男性は「消毒には気をつけていたが、ショック。日本の畜産の危機だ。まん延を防いでほしい。経営再建のため国に支援をお願いしたい」と語った。

2010年5月10日

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