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大学替え玉受験、志願者が顔写真合成 母校も見抜けず(1/2ページ)

2010年5月10日4時8分

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写真:替え玉受験あった2009年度の中大入試で、縦4センチ、横3センチの顔写真の提出を求める受験案内替え玉受験あった2009年度の中大入試で、縦4センチ、横3センチの顔写真の提出を求める受験案内

写真:2009年2月にあった中央大の入試会場。今年度は、顔写真のチェックをより厳しくした=東京都文京区2009年2月にあった中央大の入試会場。今年度は、顔写真のチェックをより厳しくした=東京都文京区

 中央大学理工学部(東京都文京区)の2009年度入試で、志願者と、本人になりすまして受験した2人の顔写真をパソコンで合成して受験票にはり付け、大学側のチェックを逃れる替え玉受験があったことが分かった。不正は、匿名の投書がきっかけで発覚。2人の間にあった、小学校時代からのいじめの関係が、不正の背景にあったという。

 再発防止策として中大は、10年度の募集要項に「志願者以外が志願者本人になりすまして受験すること」が不正行為にあたると明記。試験会場で、志願者と受験票の顔写真との照合を厳重にしたほか、答案と入学手続きの筆跡を詳しく調べるなどしている。

 替え玉受験があったのは09年2月に行われた中大理工学部の一般入試。8255人が受験し、1822人が合格した。合格者の中に、首都圏の公立高校を卒業し、当時、一浪中だった男子もいた。

 しかし、合格発表後、浪人生と、なりすまして受験した都内の私立大学の理系学部に通う学生を名指し、替え玉を告発する匿名の投書が、中大と、この私大に届いた。入学手続きに来た浪人生に事情を聴いたところ、不正受験を認めた。このため中大は同年4月に合格を取り消した。

 大学関係者によると、替え玉受験をした2人は小中学校の同級生。両方の大学が事情を聴いたところ、学生は、小中学校時代から、浪人生のグループにいじめられていたという。2人は、中学卒業後、別々の高校に進んだが、関係は続いていたらしい。

 替え玉受験は、浪人生が、学生に指示して実行。2人の顔写真をパソコンに取り込み、お互いの顔に似ているように合成した。その際、浪人生の複数の友人も加わり、写真をつくったという。試験の際、中大は、会場で監督官が受験票の顔写真で、受験生が本人かどうか確認していたが、合成写真であることは見抜けなかったとしている。

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