9日午後7時10分ごろ、新千歳発大阪(伊丹)行き日本航空(JAL)2016便(ボーイング777-300型機、乗員乗客計371人)が大阪空港に着陸する際、機体の尾部が滑走路に接触した。同機はいったん着陸をやめて離陸、滑走路の点検が終わった約45分後に着陸した。乗員乗客にけが人はいなかった。
日航によると、機長は「後輪が着地した時、機体の体勢が悪かったため、再び離陸しようとして、こすったようだ」と説明している。国土交通省大阪空港事務所によると、午後7時ごろの風速は毎秒2メートルだった。
同事務所などによると、滑走路上に火花が散るのを、事務所職員が発見。着陸後の点検で、機体後方下部に取り付けられた「テールスキッド」と呼ばれる部品に擦り傷があり、滑走路には幅約15センチ、長さ約20メートルにわたって傷が見つかった。テールスキッドは機体本体が滑走路に接触するのを防ぐためのもの。国交省は「重大な損傷ではなく、事故にはあたらない」としている。
滑走路が一時閉鎖されたため、大阪空港に着陸予定だった羽田発JAL133便と秋田発JAL2178便が急きょ、着陸先を関西国際空港に変更した。
大阪空港では09年4月、JAL系のジャルエクスプレス(JEX)機が着陸時、左主翼の先端が滑走路に接触する事故があり、日航は「気流の乱れで機体が傾いた」との調査結果を明らかにしている。【津久井達、土本匡孝、苅田伸宏】
毎日新聞 2010年5月9日 21時52分(最終更新 5月9日 23時59分)