モスクワの赤の広場で9日、対ナチス・ドイツ戦勝記念日の軍事パレードで行進する英国近衛兵=ロイター。65周年で、初めて外国軍が参加した
第2次大戦開始から70年を迎えた昨年、旧ソ連の影響下に長く置かれて反ロ感情の強いバルト3国や東欧諸国で、ソ連とナチスを同一視する批判が噴出し、ロシアが「歴史の歪曲だ」と反論する事態になった。今回は、そうした反ロ的な見方を封じる狙いがあった。それを可能にしたのは、米ロの関係リセットという昨今の土壌だった。
元ソ連兵らはNATOからの参加に好意的だ。ゲナチュクさん(85)は「彼らは友人だ。敵ではない。新しい趣向のパレードが見られてよかった」。シェピットさん(87)は「彼らがどれだけ参加しても私は満足。招待したのは正しいと思う」と話した。
また今回初めて、広大なロシアの時差にかかわらず、モスクワ時間午前10時(日本時間午後3時)に合わせ、ロシアの19都市で軍事パレードが同時に展開された。