28年間演じ続けた一人芝居「化粧 二幕」の最終公演を終え、笑顔で拍手する女優の渡辺美佐子さん=9日午後、東京都杉並区の劇場「座・高円寺」 渡辺美佐子さん舞台が幕 28年継続、井上ひさし作品4月に死去した劇作家井上ひさしさんの書き下ろしで、女優の渡辺美佐子さん(77)が28年間演じ続けた一人芝居「化粧 二幕」の最終公演が9日、東京都杉並区の劇場「座・高円寺」で行われた。 特別カーテンコールで花束を手にした渡辺さんは、詰め掛けたファンら満員の観客から大きな拍手を受けた。井上さんから以前贈られた激励の色紙がスクリーンに映し出されると、感激で顔を赤らめながら「わたしたちに元気と勇気を与えてくださった井上さん、ありがとう」と話した。 作品は1982年7月に「化粧」として初演した一人芝居に同年12月、2幕目を付け加えた。かつて捨てた息子との再会に心揺れる大衆演劇の女座長の喜びと悲しみを、楽屋を舞台に描く。全国ツアーのほか86年にパリ、87年に米国で公演。 井上さんが創作時に「にぎやかな芝居にしたい」と話していたことから、渡辺さんは「(観客に来てもらえる)にぎやかなうちに終わりたい」と今年初めに決意。最終公演を楽しみにしていた井上さんは先月9日に肺がんで亡くなったが、予定通り最後まで演じた。 【共同通信】
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