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違法コピー動画、瞬時に発見 NEC新技術が国際標準に

2010年5月7日20時54分

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 インターネット上に投稿される動画から、違法コピーを自動で瞬時に見つけ出す技術をNECが開発し、7日発表した。動画の特徴をコンピューターで分析、オリジナル動画を登録したデータベースと照合して、一致するものがあればコピーと判断する。国際標準化機構(ISO)が4月、標準規格として承認した。NECは、ネットの動画配信業者やテレビ局などによる実用化を期待している。

 ネットではユーチューブなどの動画投稿サイトが人気だ。しかしNECによると、日本のアニメがテレビ放送直後に各国言語の字幕付きで投稿されるなど、著作権の侵害が頻発。気づいて削除してもすぐ再投稿されるといった、いたちごっこも起きている。

 ISOは違法動画を見分ける技術コンペを2009年に開催。NECの成功率は96%とトップの成績だった。映画館にビデオカメラを持ち込んでスクリーンを撮影するといったコピー法は、画像の明るさなどが大幅に変わるため、オリジナルとの照合が難しいとされ、従来は成功率25%ほどだった。これに対してもNECの技術では9割だった。

 識別に使う情報量を圧縮したため、計算能力が家庭用パソコンぐらいしかなくても、1秒間にデータベースにある約1千時間分の動画と照合できる。コピー動画が2秒程度と短くても十分に識別できるという。(小宮山亮磨)

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