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【格闘技】

名城信男が王座転落 カサレスに0−3判定負け

2010年5月9日 紙面から

5回、挑戦者カサレス(右)の左アッパーを浴びる名城=大阪府立体育会館で

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◇WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ

(8日・大阪府立体育会館)

 王者の名城信男(28)が、元WBO世界ライトフライ級王者ウーゴ・カサレス(32)=メキシコ=に0−3の判定負け。3度目の防衛に失敗、王座から陥落した。名城は序盤から前に出たが、右構えから左構えに変わる挑戦者の左アッパー、右フックを被弾。昨年9月の対戦は三者三様のドロー防衛だったが、約7カ月ぶりの再戦は完敗だった。長谷川穂積(29)=真正=がWBC世界バンタム級王座を失ってからわずか8日後、またも日本人世界王者が散った。

 だれよりも戦った本人が分かっていた。判定を聞くまでもなかった。完敗。8210人の観衆が落胆する中、名城は新王者となったカサレスと抱き合い、肩をポンとたたいた。

 「悔しいですね。残念な落とし方。倒されるなら仕方ないですけど。反省点はいっぱいある」

 7カ月ぶりの再戦。前回は前半にポイントを取られ、終盤猛追。反省を生かし、初回から打って出た。決してきれいではないが、左のジャブを突き、泥臭く突進する。ところが、入ったところに左アッパー、そして右フックを被弾。ズルズルと後退した。

 「後半、カサレスは失速すると思ったのに…。逆に落ちたのは僕でした。巻き返せなかった」

 10回にはカウンターの左フックを食らい、グラついた。「あれは効きました。クリンチする余裕もなかった」。最後まで策を見いだせなかった。わずか9日間で2つのベルトが日本からメキシコへ流出した。

 関西の世界王者対メキシカン2連戦。挑戦者のカサレスは、長谷川穂積を倒したモンティエルと同門だ。ならばこちらもと関西の王者が“共闘”していた。名城は3月に長谷川と4ラウンドのスパーリングをこなし、防衛を誓い合った。それがまさかの2連敗。

 だが、名城は前を向いた。

 「再戦してもらえるならぜひやりたい。もちろんもう一回取り返したい。メキシコでもいいので、ぜひやりたいです」

 敗戦から30分もたたないうちに再起を宣言した。「海外で戦う夢をかなえたい。どこへでも行きます」。このままでは終わらない。今度は挑戦者として、メキシコへ殴り込むつもりだ。 (森合正範)

 

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