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【ドラニュース】


和田弾!連日のサヨナラ劇勝

2010年5月9日 紙面から

中日−ヤクルト 9回裏2死、サヨナラ弾を放った和田=ナゴヤドームで

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 さすがベンちゃん、頼りになるねぇ。8日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)。ツバメのルーキー・中沢に8回まで、わずか1安打。このまま延長戦突入かと思った9回2死。和田が中越えにガツンと12号サヨナラ弾。前夜に続くサヨナラ劇。この勢いでグイッとヤクルトをもうひと飲み−。

 喜びが爆発した。打球の行方を見届けた瞬間、まずは右の拳でガッツポーズ。さらに突き上げるようにガッツポーズ。おまけに本塁で待ち構えるナインの前で派手なアクション…。「すごくストレスがたまっていたんで。調子に乗っちゃいましたね」。いやいや、いいんです! 和田がやってくれた。リーグトップに立つ12号は投手戦にケリをつけるサヨナラ弾だ。

 今年6月に38歳を迎えるベテランの嗅覚(きゅうかく)はさえていた。両軍無得点で迎えた9回2死走者なし。前日は同じような状況で歩かされた。今回も? そんな予感はなかったという。

 「たぶん勝負してくるかなって。理由? 何となく。まあ、きのうのきょうなんで。間違いなく1球はストライクがくると思っていた」

 その初球、ヤクルト・中沢の137キロ外寄り直球をフルスイング。打球はセンターバックスクリーンに突き刺さった。それまでの3打席は1回2死一、三塁での三振に始まって遊ゴロ、中飛。「きょうの中沢はコントロールがよくてボール球を追いかけていた。だから引きつけて打とうと。最後の最後で甘いところにきた」

 昨年5月28日の楽天戦(ナゴヤドーム)以来、自身3度目のサヨナラ弾は反省と読みを生かした一発だった。

 リーグ単独トップの12号に同2位の打率3割7分2厘、さらには31打点も同2位タイ。開幕から38試合を終えても勢いに衰えはない。その理由の一つにストレス発散法がある。和田は酒を飲まない。「酒を飲めば選手としての寿命が短くなると思う」。これが持論だ。大学時代こそ浴びるほど飲まされたが、苦手なこともあってプロ入り後はピタリとやめた。ストレスがたまっても酒には向かわず家族に向かった。

 その家族とは三男が4月19日に生まれたことで離れ離れ。だがこの日の試合後、絵美子夫人と子ども3人がようやく帰ってきた。「試合中は新幹線に乗っているころかな。ようやくご対面だよ」。最高の“お土産”ができた。

 「あそこで一発で決めたベン(和田)はすばらしい」。試合後、落合監督は最上級の賛辞を贈った。2試合連続のサヨナラ勝ちで20勝に到達した落合竜。交流戦前最後の試合となる9日もスカッと決めたい。 (兼田康次)

 

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