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主宰 |
今回は子供達にも人気のあの食材をとりよせました… それでは発表します、 今日のテーマは・・・・・・ |
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福井 | さぁ極上の金色に輝くピ力チュウを前にしての和と中華の一騎打ち。子供達のアイドル・ピ力チュウは一体どちらに微笑むのか。今日、このキッチンスタジアムに新しい歴史が幕を開けることだけは間違いありません。今、運命のゴングが鳴り響きます。 | ||||||
主宰 | アーレ・キュイジーヌ! | ||||||
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福井 |
さぁ、挑戦者と鉄人がピ力チュウを取りに走ります。 おーっと、ピ力チュウが跳ね出しました、飛び出しました。挑戦者逃げまどうピ力チュウを追いかけて走ります。かたや鉄人、ピ力チュウの首をうまく捕まえてバットの中に放り込んでいきます。 |
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服部 | この時期のピ力チュウは元気がいいですからねぇ。掴むのになれていないと難しいですよ。上手く首のところを捕まえれば電気も出ませんしね。 | ||
福井 | さて、このピ力チュウ、名前は聞いてもなかなか食材としてお目にかかることはないようですが。 | ||
服部 | 貴重な食材ですからねぇ。昔から高価だったんですよ。江戸時代は「黄色鼠で蔵が建つ」なんて言われたものです。落語にもあるんですよ。番頭さんがピ力チュウを盗んで逃げてしまう話。「千両黄色鼠」っていうんですけど。 | ||
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服部 | 鹿児島のピ力チュウはねぇ、脂がのっていることで有名でね。一部の専門店にしか卸されないんですね。ピ力チュウは電気袋が旨くてねぇ。白子みたいな味わいなんですよ。ですからこれをどう活かすかがポイントですね。 | ||
冷蔵庫前リポート |
福井さん、両者の食材の数なんですが、挑戦者は活きピ力チュウを5匹、鉄人側は活きピ力チュウを4匹と乾燥ピ力チュウを3匹用意しています。挑戦者に「乾燥モノは使わないんですか?」と聞いたところ「乾燥ピ力チュウは戻しが命、一時間じゃとても戻せないねぇ。味にこだわるなら3時間は無いとねぇ」と答えてくれました。 これに対して鉄人陳は「戻しに時間が足りない?そんな泣き言言ってられないよ、戻しピ力チュウの味は生よりも深い、これをつかわないとねぇ」と言っています。 |
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福井 | なるほど、早速両者の対立が見られます。おーっと、これは挑戦者サイドの映像です。なるほど、まず挑戦者がピ力チュウの頭を包丁で叩いています、気を失わせるわけですね。 | ||
服部 | ははは、これだけ多いと力仕事ですね。 | ||
福井 | なるほど、ピ力チュウの悲鳴が聞こえてきそうであります。おっと、鉄人、ピ力チュウの耳だけを集めていますね。これは、飾り付けにするんでしょうか? | ||
服部 | いや、ピ力チュウの耳はゼラチン質が多くて旨いんですよ。煮込みなんかにするとね、旨いんだよなぁ。フカヒレに似た食感なので最近中華でも使われていますよ。 | ||
冷蔵庫前リポート | 福井さん、ピ力チュウの耳についてですが。これは土鍋で煮込みにするそうです。 | ||
服部 | ははっ、当たりましたねぇ | ||
福井 | さぁ両者、次々とピ力チュウをさばいていきます。おっと、鉄人と挑戦者、どうやらかなり違うさばきかたをしているようです。挑戦者サイドはこれは腹から裂いているようですが? | ||
服部 | ピ力チュウのさばき方は関東と関西で違うんですね。江戸は武家文化の影響から切腹を連想させる腹開きを嫌い背開きだったんです。反対に関西の商人文化では腹開きが好まれたんです。ほら「腹を割って商談する」というでしょう? | ||
福井 | なるほど、さばき方にも文化の違いが見える。今日のピ力チュウ対決であります。 | ||
冷蔵庫前リポート |
福井さん、鉄人に今日の作戦について聞いてみました。 「このピ力チュウ活きがいいねぇ。脂ものっているし。プリプリしている。うまいねぇ十分生でいけるよ。こんなピ力チュウみたこと無いよ。腕が鳴るねぇ。4品、うーん、できれば5品、デザートもピ力チュウで作るよ。」と言っています。 |
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福井 | なるほどいつにも増して自信満々な陳建一。その衣装といい顔といい、どこかピ力チュウに似ております。 | ||
陳 | そんなことないよぉ |
福井 | おっと、これは挑戦者サイド、スタッフになにか要求しているようですが。 | ||
冷蔵庫前リポート | こちら挑戦者サイドの状況ですが。電気袋を取り出すためのゴム手袋を要求した模様です。挑戦者に聞いたところ「電気袋は繊細さが命、電気にしびれて袋を傷つけては話になりませんからね。ですが電気袋にゴム手袋は関西の料理界では常識。用意が足りないんじゃないですか?」とスタッフに文句をつけていました。 | ||
福井 | おっと、スタッフにも喧嘩を売る、血気盛んな挑戦者であります。 | ||
服部 | 挑戦者の方、あれは梅干しじゃないかなぁ。 | ||
福井 | そのようですが、すると電気袋と梅干しをあえるのでしょうか | ||
冷蔵庫前リポート | 福井さん、挑戦者側ですが、これは梅干しではなくてボーリングのボールを蒸したものだそうです。 | ||
服部 | ははぁ、なるほど。ボーリングの玉ってねぇ、蒸すとあんなに小さくなっちゃうんですよ。 | ||
福井 | 挑戦者側、ピ力チュウの頭部をオーブンから取り出しました。 | ||
服部 | これは、シンプルにローストしてきましたね。 | ||
福井 | かなり、良い色であります。 | ||
服部 | これは関西ペイントを使っていますね。 | ||
福井 | 関西ペイント?関西料理界ではよく使うんでしょうか? | ||
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服部 | よく使われますね。特にラッカースプレーの「焦げ茶」は良い焼き色が出るんですよ。 | ||
福井 |
なるほど、そこら辺は挑戦者きちんと押さえているわけであります。 鉄人が鍋を取り出してきたようです。これは土鍋でしょうか。 |
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冷蔵庫前リポート | 鉄人の土鍋の中身ですが、ピ力チュウ。エシャロット。ニンニク。大豆。水道管。エバミルク。オーストラリア。気象予報士。熱気球。広瀬香美に豆板醤が入っている模様です。 | ||
福井 | なるほど、四川風の煮込みのようですね。鉄人陳お得意の料理であります。すると、入っているピ力チュウはさきほど背開きされたものでしょうか。 | ||
冷蔵庫前リポート | いえ、入っているのはピ力チュウの耳だそうです。 | ||
福井 | なるほど、先ほどの耳の煮込みがこれになるわけですね。これはおいしそうであります。 | ||
15分前 | |||
福井 | さぁ15分前のコールがなりました。鉄人陳が助手に指示を出しております | ||
冷蔵庫前リポート | はい、鉄人側ですがピ力チュウの胸肉をペースト状にしてアイスクリーマーにいれたようです。 | ||
服部 | すると、ピ力チュウでアイスクリームを作るわけですね。 | ||
福井 | ピ力チュウのアイスクリームですか、世界が初めて体験するデザートとなりそうであります。 | ||
挑戦者宮城の映像ですが、これはピ力チュウに醤油で煮込んでいるんでしょうか。 | |||
冷蔵庫前リポート | 福井さん、挑戦者側ですが、これは醤油ではなく、アラブ産の重油だそうです。挑戦者は「油は香りが命。臭いが良ければアラブ産でもなんでもつかいますよ」と言っています。 | ||
福井 | 流石、攻めの姿勢を忘れない挑戦者であります。 | ||
服部 | 近頃、フランスでも重油を使う料理は注目されていますからねぇ。重油でコクを足しているんですね。これはうまいだろうなぁ。 | ||
冷蔵庫前リポート | 福井さん。こちらに鉄人が戻していた干しピ力チュウを出してきたとの情報が入ってきました。 | ||
福井 | おーっと鉄人。ついに干しピ力チュウを出してきました。映像によりますと、白いものが見えますが、これは豆腐でしょうか? | ||
冷蔵庫前リポート | 福井さん、鉄人側の食材ですが、これはノートルダム寺院の床石と広辞苑の第5版だそうです。 | ||
服部 |
第5版ですか、まだ新しいですよ。旬の素材をとりいれてきましたね。するとこれでスープにするんだなぁ。 あぁ、上に乗せているのは錆びた五寸釘でしょう。鉄分にも気をつかっているようですね。挑戦者。 |
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福井 | ははー。たしかに力がもりもり湧いてきそうな感じであります。 | ||
5分前 | |||
福井 | 5分前のコールであります。おっと、ここで鉄人、電信柱を出してきました。変圧器が重そうであります。電信柱に金箔を張り付けています。 | ||
服部 | あの電信柱は良い味するんだよなぁ。 | ||
冷蔵庫前リポート | 福井さん、挑戦者サイドですが。挑戦者はボサノバのリズムで五寸釘を打ち込んでニワトリのモノマネをしている模様です。 | ||
福井 |
挑戦者の鳴き声がキッチンスタジアム中に鳴り響きます。 さぁ両者ラストスパート。 すでに挑戦者は飾り付けを終え、おでん屋台の前でくだを巻いております。飲んでいるのは焼酎でしょうか? 一方、鉄人の方は衣装を脱ぎ、豆板醤を体一面に塗りたくって恍惚としております。 おっと、ここでゴングです。 |
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そしていよいよ試食開始 TASTE 今回のピ力チュウ対決を審査するのは 「衆議院議員 栗本慎一郎」 「女優 高田万由子」 「死体 景山民夫」 そして「料理記者歴43年と5ヶ月23日4時間17分 岸朝子」 まずは挑戦者宮城の作品から。 |
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一品目「ピ力チュウの電気袋とボーリングのボール和え」 | |||
栗本慎一郎 | 初めて電気袋をいただきますが、口の中がピリピリするんですね。いや、これは驚いたなぁ。イタタタ舌の中がしびれてきました。もう右手の感覚が全くありません。 | ||
岸朝子 | これだけ丁寧なお仕事ですと、ピ力チュウも浮かばれますね。 | ||
挑戦者2品目は「ピ力チュウの背肉洗剤入りロースト重油がけ」 | |||
高田万由子 | 石油と洗剤って一緒に食べたこと無いんですけど、深いお味ですね。凄くおいしい。 | ||
3品目「ピ力チュウのお頭蒸し」は鉄人自ら取り分けます。 | |||
高田万由子 | すごくおいしい・・・ピ力チュウがこっちを睨んでいるようで怖いですけど・・・本当においしい。 | ||
栗本慎一郎 | いや、これは素材を活かした料理ですね。うまいなぁ。焼いたはずなのにピ力チュウの鳴き声がまだ聞こえてくるのが凄いですね。ピ力チュウの生命力の強さに驚きました。 | ||
そして最後の作品は「ピ力チュウ雑炊」です。 | |||
栗本慎一郎 | いやぁ、日本人に生まれて本当に良かったと思う瞬間ですね。ホッとします。 | ||
岸朝子 | 本当に上品なお味ですね。全体のバランスが大変良かったです。ピ力チュウがきちんと主役になっていますね。おいしゅうございます。 | ||
続いて、鉄人陳の作品が並べられます | |||
まずは1品目「広辞苑第5版入り干しピ力チュウの澄しスープ」です。 | |||
高田万由子 | これは、本当に澄んだ味ですね。でもノートルダム寺院の床石がジャリジャリするのがちょっと・・・・ | ||
栗本慎一郎 | そうですね。スープがスッキリしている分、ジャリジャリ感が目立ちますが、私は広辞苑の第5版が頂けただけでも大満足です。 | ||
2品目「ピ力チュウと車海老のピリ辛炒め」 | |||
栗本慎一郎 | ピ力チュウの風味がピリ辛に負けていませんね。鹿児島の青空が見えてきそうです。 | ||
岸朝子 | 本当。私事ですが、鹿児島に不倶戴天の敵がいることを思い起こさせてくれます。いえ、料理の評価には関係ございませんけど。 | ||
3品目「四川風ピ力チュウ土鍋煮込み」は鉄人陳自ら口移しします。 | |||
栗本慎一郎 | いや、これは意外な演出に驚きました。 | ||
景山民夫 | ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | ||
4品目は「ピ力チュウのシャーベット」です。 | |||
栗本慎一郎 | うーん、確かにおいしいですけど。この電信柱が邪魔で食べにくいなぁ。 | ||
岸朝子 | ピ力チュウのアイスクリームと言うことでどうなるかとも思ったんですけど、おいしく頂けました。ただ電信柱はよけいでしたね。 | ||
福井 | さぁいよいよ審査。勝利のピ力チュウジャンボはどちらの空港に訪れるのでしょうか。 | ||
JUDGE |
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主宰 | ゲームの歴史を塗り替え、アニメの歴史を塗り替えたピ力チュウ。そして、きょう遂に料理の歴史を塗り替えてくれました。私もその歴史の証人になったわけです。この栄誉を与えてくれた2人の料理人に感謝します。ありがとう。ですが、勝つのはただ、一人です。 | ||
福井 | さぁ日本全国の小学生が見守る中でのピ力チュウ対決。今日の料理を見て全国の小学生がピ力チュウ料理を親にねだることでしょう。はたしてピ力チュウはどちらに微笑むのか。鉄人か、和の勇者か!? | ||
主宰 | 衆議院議員 栗本 慎一郎! | ||
福井 | おーっと、意外であります。勝利の凱歌は衆議院議員にあがりました。これで鉄人陳の連勝は4でストップ。絶好調の陳に土がつきました。やはり、ピ力チュウは気まぐれであります。まさに勝負の皮肉。おーっと今鉄人と挑戦者が固い握手を交わしました。勝負はかくも美しい!それを教えてくれた今日の対決でした! |