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【社会】

口蹄疫6万匹処分 宮崎、家畜市場すべて閉鎖

2010年5月9日 朝刊

 宮崎県で家畜感染症の口蹄(こうてい)疫が拡大している。殺処分される牛や豚は計約六万匹に上り、国内で過去最悪の事態だ。感染拡大防止のため県内七カ所の家畜市場はすべて閉鎖。各地の地元ブランド牛として商品化される子牛が出荷できないなど、影響は広がっている。

 四月二十日から五月八日までに、感染疑いが見つかった農家や施設は四十九カ所。国内で初めて豚の感染疑いも見つかり、処分対象は約六万二千匹で、うち五万匹以上は豚。農林水産省によると、過去に口蹄疫が発生した際に処分された牛の数は一九〇八年に東京などで約五百頭、二〇〇〇年に宮崎県で三十五頭、北海道で七百五頭。

 家畜を埋めて処分する作業が追いつかず、東国原英夫知事は陸上自衛隊に災害派遣を要請、「非常事態を宣言してもいい」と深刻さを訴える。

 宮崎県は、肉用牛の飼育数は北海道、鹿児島に次いで三位、豚は鹿児島に次いで二位。子牛は出荷先で肥育され、各地のブランド牛として店頭に並ぶ。約四割は県外で、〇八年度は長野や三重、佐賀各県などに約三万頭が出荷された。

 

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