十勝毎日新聞社ニュース
中川義雄氏が比例出馬 自民支部は支援
たちあがれ日本(平沼赳夫代表)は7日午後、参院選の第1次公認候補6人を発表した。中川義雄参院議員(72)ら4人を比例代表に、青森と神奈川選挙区に各1人を擁立する。6人のうちただ1人の現職として立候補する中川氏は「祖国のため懸命に努力する覚悟だ」と3選に向けての決意を語った。
参院選出馬の決意を語る中川氏
中川氏は「このまま民主党政権にゆだねると日本は壊れてしまい、自民党もたるんでいる。活を入れる立場で改めて立起した」と強調。農業や農村地帯が危機的な状況にあるとし、引き続き尽力する姿勢を示した。
道選挙区で自民党公認が得られず政界引退を考えたが、「おいの(中川)昭一は最後まで日本が危なくなると言い世を去った。尊敬する平沼先生から党に入って新しい政治活動を要請され、決断した」と出馬の経緯を説明。
比例代表を選んだ理由については「道選挙区から出馬しても十分戦える自信はあるが、公認を得られず意趣返しで選挙区から出たと取られると人間が小さくなってしまう」と述べた。
藤井孝男選対委員長は道内の対応について、「道選挙区から候補者を出さないと決めたわけではない」と含みを残しつつ、「自民党候補者との協力態勢をどうしていくかは今後の課題として検討する」とも語った。(池谷智仁)
中川氏以外の公認候補(いずれも新人)は次の通り。(敬称略)
▽比例代表=村岡敏英(元大臣秘書官)足高慶宣(社会福祉法人理事長)岡佑樹(元議員秘書)▽青森選挙区=升田世喜男(元青森県議)▽神奈川選挙区=松田学(前預金保険機構金融再生部長)
■農業関係者は複雑
たちあがれ日本の中川義雄参院議員が夏の参院選に比例代表で出馬を決めたことに対し、管内の政治関係者は冷静に推移を見守っている。一方、民主政権の農業者戸別所得補償制度導入を控え、長年にわたり中川氏を支持してきた農業関係者には微妙な距離感も広がっている。
自民党11選挙区支部の清水誠一支部長は「自民とは友好的な関係で立候補すると聞く。中川氏は農業のエキスパートで、今後については中川氏と相談していきたい」とする。同支部の大谷亨幹事長も「直接応援はできないが、『反民主』の考えは一緒。思想信条が違う訳ではない」と好意的に受け止める。
民主党十勝の池本柳次代表代行は「自民党から『引退宣言』されていたので、(たちあがれ日本から出馬する)その道しかなかっただろう。他党のことは他党のこと」と冷静を装う。
一方、昨年の政権交代で対応を転換した農業界の反応は複雑。関係者からは「十勝や北海道の農業に精通している」と評価する声が上がる半面、管内のある農協組合長は「農業界にとっては戸別所得補償制度の設計など大事な時期。心情的には頑張ってほしいが、(与党以外を)表立っては応援できない」と漏らす。
過去の参院選で自民候補を推薦した北海道農協政治連盟(会長・飛田稔章JA北海道中央会会長)は今回、民主、自民双方の公認候補の「支持」を決めており、自民支持の農業者も「中川氏を含めてかなり悩むと思う」と語っている。
自民党道第11選挙区支部の支部長会議であいさつする清水氏
自民党道11選挙区支部(清水誠一支部長)は8日午前11時、帯広市内のとかち館で支部長会議を開き、夏の参院選に向けた対応を協議した。道選挙区は党公認の長谷川岳氏を支援、比例代表では党公認候補のほか、地元の中川義雄参院議員を擁立したたちあがれ日本、公明党を支援する。
管内の支部長ら約20人が出席。参院選について清水支部長は「今までの選挙協力で、友党的な関係の党、候補を支援していく」と説明。比例代表の支援では党の34人、中川氏、公明党の横山信一氏の位置付けに関し「横並びで各自の判断による」と話した。
長谷川氏は24〜26日、出馬表明後初めて十勝入りし、管内各支部をあいさつに回る。同支部は6月6日、市内東2南13の砂川敏文前市長の事務所で参院選選挙対策本部の事務所開きを行う。
市長選に関して清水支部長は「帯広・十勝に保守基盤があると確認できたが、敗れたことにおわびと責任を痛感している」と語った。