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初級編 -1枚に圧縮してバックアップ-


オリジナルのままバックアップする解説です。メニューや特典映像なども含めたバックアップです。初めての方などを対象にしています。

通常DVDは2層ディスクが多いです。ですからこれらのDVDをバックアップするには

1.記録メディアに収まるようにデータを圧縮する。
2.圧縮せずに2枚の記録メディアに分割して保存する。

現在では、この2通りしか方法がありません。どちらの方法もお互いにメリット・デメリットがありますから、場合に応じて選択するほうがいいでしょう。

バックアップ方法 メリット デメリット
1枚に圧縮 ・記録メディアが1枚でOK(低コスト)
・不要な音声や映像をカットすれば
 圧縮しないですむ場合もある。
・画像にノイズが出る場合がある。
2枚に分割 ・まったくオリジナルと同じ物が出来る ・記録メディアが2枚いる。(高コスト)
・再生時に入れ替える必要がある。
 

個人的には1枚にバックアップする方法をお勧めします。分割した場合は、やはりメディアが2枚必要になりますので高コストですし、鑑賞中にディスクを入れ替える必要があるからです。
また、圧縮した映像がいやな場合は、オリジナルを鑑賞すればいいわけです。
うしても圧縮して保存するのがいやな場合や、長編作品や2層いっぱいにデータが入っているようなものの、その他の理由により分割したい場合を除き、1枚に圧縮がいいと思います。


必要なツール エンコード設定 バックアップ
映像確認 ライティング  


必要なツール

工程 ソフト名 公式HP 日本語化HP インストール手順
リッピング・エンコード DVD Shrink 3.1.7

Chappu氏
ライティング B's Recorder GOLD 5

×

 
映像確認・データ解析 IfoEdit 0.96

rougez氏

DVD Shrink (フリーソフト)はVer. 3.1.7 日本語版で説明します。
NT系以外のOSの方は日本語化出来ません。公式HPから英語版を使用してください。
ライティングソフトはB's Recorder GOLD 5 Ver. 3.43で説明します。
他のライティングソフトでも可能です。但し、DVD-VIDEO規格に対応しているもので使用してください。 ライティングソフト「Nero」がインストールされている環境の場合、直接ライティングすることも可能です。
IfoEdit 0.96 (フリーソフト)は必須ではありませんがあれば便利です。

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エンコード設定

DVD Shrinkを起動してみましょう。インストール手順はこちら

初めて起動したときは圧縮する目標サイズを設定します。(しなくても可)
編集」→「各種設定」を選択します。

デフォルトのままでもOKなのですが、品質のいい国産の記録型DVDを使用する場合は、デフォルトの4,464MBからもう少し増やしても保存することが出来ます。「Costom」を選択し、変更してください。私の場合は4,472MBにしていますが、容量オーバーで記録できなかったことはありません。もう少し増やしても、大丈夫かもしれません。逆に品質の悪い 激安メディアに記録する場合は4,000MB程度に抑えたほうがいいかと思います。

 

●DVDを読み込む

DVDドライブにメディアを挿入し、「ディスクを開く」をクリックします。

 

該当するドライブを選択し、「OK」をクリックします。

 

タイトルの分析が始まります。タイトルの容量やPCの性能によって異なりますが、しばらく時間がかかります。「ビデオプレビューを有効にする」にチェックを入れると分析中の映像を見ることが出来ますが、分析時間が少し長くなるので、早く終わらせたい方はチェックをはずしてください。

 

解析後の画像

このサンプルでは自動圧縮設定で音声、字幕は全て残す。

  サイズ 圧縮率
圧縮後の目標サイズ 4,472MB  
圧縮後のメニューサイズ 215MB 48.3%
圧縮後のメインムービー 4,055MB 53.0%
圧縮後のメインムービーのみ 2,385MB 53.0%
圧縮後の特典 200MB 62.4%

といった感じになっています。

 

続けて「詳細な分析」をクリックします。

必ずやる必要はありませんが、圧縮後の画像に影響しますので、なるべくきれいに保存したい場合はやったほうがいいでしょう。

この分析にもしばらく時間がかかります。分析後は、先ほどの圧縮率など少し変化する場合があります。

 

詳細な分析」が完了後、 この設定でよければ「バックアップ」をクリックします。

今回の場合、メインムービーの圧縮率53.0%となり約半分に圧縮してしまうため、かなり画像が汚くなる恐れがあります。また、音声や字幕は圧縮することが出来ません。つまり純粋に映像部分だけで53.0%に圧縮されてしまうということです。ですから不要な音声や字幕を削除したりして、圧縮率を下げます。

 

音声

仕様 サイズ
1.AC3 5.1-ch 英語 320MB
2.DTS 5.1-ch 英語 632MB
3.C3 5.1-ch 日本語 320MB
4.AC3 2-ch 英語 160MB
5.AC3 2-ch 英語 160MB
DTS音声は専用の再生機器が必要ですので、ない場合は削除することが出来ます。英語、日本語吹き替えのどちらかでよければ片方を削除できます。
今回の場合、AC3 2-ch 英語はディレクターズコメントなので不要の場合はこれも削除対象になります。

不要なものにはチェックをはずします。

 音声内容の確認方法はメイン画像の映像プレビューのところで右クリックすると音声が選択できますので、そこで確認してみてください。また個々のタイトルで音声仕様も異なるので必ずしも今回と同じとは限りません。DTS音声がないタイトルも存在します。

 

字幕

仕様 サイズ
1.日本語 7MB
2.英語 4MB
3.日本語 0.78MB
4.日本語 19MB
5.日本語 18MB
字幕はあまりサイズが大きくないため、削除してもあまり変わりませんが、不要なものは削除しておきます。

不要なものにはチェックをはずします。

今回は

音声:1.AC3 5.1-ch 英語
字幕:1.日本語

のみ残す設定にしたところメインムービーの圧縮率が78.3%になりました。

不要な音声・字幕削除後の状態

  サイズ 圧縮率
圧縮後の目標サイズ 4,472MB  
圧縮後のメニューサイズ 334MB 76.2%
圧縮後のメインムービー 3,887MB 78.3%
圧縮後のメインムービーのみ 3,524MB 78.3%
圧縮後の特典 259MB 82.7%

この設定でよければ「バックアップ」をクリックします。

もっとメインムービーの圧縮率を少なくしたい場合は「自動」圧縮ではなく、「手動」で圧縮率を変更 させることも出来ます。今回は、特典をもっと圧縮してメインムービーの圧縮率を上げてみます。

特典の項目を選択し、「カスタム」に変更します。

設定項目 説明
非圧縮 映像の圧縮はしません。
自動 圧縮率を自動に設定する。
カスタム 圧縮率を手動で設定できる。
静止画 コマ送り映像になるまで最高圧縮する。

特典のみ「カスタム」にしたのでメニューとメインムービーは連動して自動的に圧縮率が変わるようになります。

スライドバーを動かして希望の圧縮率に変更します。今回70.5%に設定してみたときの各項目のサイズはこうなります。

  サイズ 圧縮率
圧縮後の目標サイズ 4,472MB  
圧縮後のメニューサイズ 335MB 77.0%
圧縮後のメインムービー 3,911MB 79.0%
圧縮後のメインムービーのみ 3,558MB 79.0%
圧縮後の特典 224MB 70.5%

メニューや特典など、メインムービー以外の項目を手動設定することで自分好みの圧縮率をいろいろ設定してみてください。


この設定でよければ「バックアップ」をクリックします。

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バックアップ

エンコード設定が終わったら「バックアップ」をクリックします。

出力先デバイスの選択:
ハードディスクに保存時に、ファイル形式かイメージファイル(ISO)形式か選択します。
ライティング時にDVD-VIDEO規格にとして記録できるソフトではファイル形式に、イメージファイルとしてライティングするにはイメージファイル形式にしましょう。イメージファイル形式時に4GB超えるファイルになる場合、OSが98系(FAT32)では保存できませんので注意が必要です。上記の設定ではファイル形式で保存します。

DVDファイルの出力フォルダを選択:
ハードディスクに保存するフォルダを選択します。保存先を変更するには「参照」をクリックします。作成に必要なサイズ(4,472MB)が保存可能なフォルダ(24,884MB)を選択する必要があります。

VIDEO_TSとAUDIO_TSフォルダを作成する:
チェックを入れると、出力先フォルダに自動的に2つのフォルダを作成し、VIDEO_TSフォルダ内にデータを保存するように出来ます。通常はチェックを入れておきます。

 

リージョンコードを指定します。 民生機で再生可能なコードを指定します。通常コード2を選択すればいいかと思います。またはリージョンフリーを選択します。

配給先ID:
特に記入しなくてもいいかと思います。

 

品質を向上させるため、バックアップ前に詳細な分析を実行する:
バックアップ前に「詳細な分析」をするかどうか選択します。すでに実行している場合は選択できずにグレーアウトになります。

バックアップを低優先度モードで実行する:
バックアップ実行時にはPCに大きな負荷がかかりますので、チェックを入れることによってこのプロセス(処理)のPC内における優先度を下げることが出来ます。

バックアップ終了後にPCをシャットダウンする:
PCの性能によってはかなり時間がかかりますので、バックアップ完了時にPCを終了させたい場合は、チェックを入れます。

終了時に音声を鳴らす:
チェックを入れるとバックアップ完了時に終了音を鳴らします。好みの終了音にしたい場合は「参照」をクリックし、希望のWAVファイルを指定します。

 

ボリュームラベル:
デバイス指定のところでイメージファイル形式で保存する場合は、この設定を使用することが出来ます。任意のボリュームラベル(DVD名)を記入します。

書き込み速度:
ライティングソフト「Nero」がインストールされている環境では、「編集」→「各種設定」内のファイルI/OでNeroを有効にすると使用することができます。これを有効にすると、ハードディスクには保存せず、直接記録型DVDに保存することができます。ただし、圧縮後の映像確認が出来ませんので注意が必要です。

 

全ての設定が完了すれば「OK」をクリックします。

エンコードが始まります。完了までにしばらく時間がかかります。

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映像確認

作成したバックアップファイルはPC上では再生できるが民生機では再生できないといったことが起こるので、ライティング前に再生可能かどうか確認します。ここではIfoEditを使用します。
Power DVDなどのソフトDVDプレイヤーでも可能ですが、ソフトによっては民生機で再生できないようなファイルでも再生可能にしてしまうのでここでの確認作業では不向きです。理由は
こちら

IfoEditを起動します。インストール手順はこちら

起動後、「開く」をクリックして先ほど作成したフォルダ内の「VIDEO_TS.IFO」ファイルを開きます。
ファイルを読み込んだら、続けて「DVD再生」をクリックします。

PC内の各種フィルタ類が読み込まれます。そのまま「OK」をクリックします。
ここでエラーが出る場合があります。他のプロセスで同じフィルタ類を使用している場合や、再生に必要なデコーダ類がない場合が該当します。

使い方は見ればわかると思います。メニューのリンク先や音声の選択などいろいろと再生確認すればいいと思います。単純に圧縮した場合は、あまり不具合は出ないと思いますが、特典映像を削除した時などにセクタが狂ってしまった場合は、エラーが出やすくなります。

 

セクタの修復方法

DVD再生を一旦終了させます。

「VTSセクタを取得」をクリックします。

IFOファイルを自動で更新保存してもいいかと聞いていますので「はい」をクリックします。
バックアップを取っておきたい方は、クリックする前に、「VIDEO_TS.IFO」と「VIDEO_TS.BUP」ファイルをコピーしといてください。

VMG_PTT_SRPTのセクタが新しく更新されました。「OK」をクリックします。

VMGI_MATのセクタが新しく更新されました。「OK」をクリックします。
以上でセクタが修正されました。再び「DVD再生」をクリックして再生確認してください。

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ライティング

作成したデータを記録型DVDに保存します。民生機で対応している規格のものを選択してください。DVD-Rなら大抵の機種で可能かと思います。書き換え可能なDVD(DVD+RW、DVD-RW)が再生できる機種であれば、ためし焼きに使うのもいいと思います。

失敗しないライティング時の注意事項

  • データ焼きの場合、DVD規格に対応しているライティングソフトを使用する。
  • ファイル名は全て大文字か確認する。(フォルダ名共)
  • 書き込むデータは「VIDEO_TS」フォルダ(中のデータ共)
    「AUDIO_TS」フォルダ(空のフォルダ。あったほうがいい)を保存する。
  • 98系(FAT32)ではデータが4GBを超える場合はオンザフライ方式で記録する。
  • 保存時は他の作業をしない。
  • 品質の悪い激安メディアは使用しない。
  • ハードディスクに十分な空き容量を確保する。
  • ファイルの断片化がひどい時はデフラグを行う。
  • 相性問題の解消として、DVDドライブ推奨のメディアを選ぶ。

ここではB's Recorder GOLD 5 Ver. 3.43を使って解説します。B's Recorder GOLD 5は最新バージョンにアップデートしておいてください。
イメージファイル(ISO)方式でライティングする場合は
こちら

B's Recorder GOLD 5を起動します。

補助メニューの「データ」からでも可能ですが今回は閉じます。

緑枠部分に作成した
VIDEO_TS」フォルダ(中のデータ共)
AUDIO_TS」フォルダ(空のフォルダ。あったほうがいい)
をドラッグ&ドロップします。
エクスプローラからのドラッグ&ドロップでも可能です。

ディスクアットワンス」にチェックを入れます。

ボリュームラベル(DVD名)を変更するには「データ(MODE1)」を右クリックして「プロパティ」を選択します。

ボリューム名称」を任意の文字(DVDのタイトル名など)に変更します。
なお、使用できる文字は、大文字英語、数字、アンダーバーです。

ボリュームラベルを「MOVIE_01」としてみたところです。
必ずDVDのルート直下に「VIDEO_TS」フォルダと 「AUDIO_TS」フォルダにしてください。
それ以外のファイル構成では民生機で再生することはできません。

よくある間違った例

映画というフォルダが入っている。
DVD Shrinkでバックアップ時に指定したフォルダごと指定したりしてはいけない。

DVDドライブにブランクメディア(新しいディスク)を挿入し、「書き込み」をクリックします。

 

 

書き込みの種類 テスト(実際に書き込みを行わない)することも出来ます。初めて使用する場合などは、エラー確認でテストのみでやってみるのもいいかの知れません。
書き込み速度 自動でメディアの書き込み可能な最大速度が選択されます。
オンザフライ方式 一度ハードディスクにイメージ(実データと同容量)を作成しないで、データを直接ディスクに書き込む方式。チェックをはずすとイメージファイルを作成しますから、テンポラリフォルダのあるドライブに実データと同じサイズ以上の空き容量が必要です。転送速度でエラーが出る場合などはチェックをはずすといいと思います。
※データが4GBを超える場合は98系(FAT32)環境の方はオンザフライ方式でないと書き込みできませんので注意が必要です。
ベリファイ 書き込み終了後、メディアが正常に読めるかをチェックしています。この機能は、書き込みエラーではなくメディアが読み込めるかテストのみです。
コンペア 書き込み終了後、元のデータと書き込まれたデータが完全に同一であるかをチェックします。

オンザフライ方式なし、ベリファイ、コンペア共に使用すると、書き込み時間が長くなります。

選択が終わったら「開始」をクリックします。

書き込みが始まります。DVD-Rに4倍速でオンザフライ方式、ベリファイ、コンペアなしで約15分程度かかります。

書き込みが完了しました。早速、民生機で再生確認してみてください。

 

イメージファイル(ISO)形式のライティング方法

ライティングソフトがDVD-VIDEO規格に対応していない場合や、どうしてもうまく焼けない場合などはこの方法で保存してみてください。イメージファイル形式なら大抵のソフトが対応していると思います。あくまでもISOファイルをデータ(ファイル)として記録するのではなく、イメージとしてライティングするということです。

あらかじめ、DVD Shrink でバックアップ時にイメージファイル形式で保存しておきます。

B's Recorder GOLD 5を起動します。

緑枠部分に該当するファイルをドラッグ&ドロップします。
エクスプローラからでもドラッグ&ドロップが可能です。

後は「書込み」と同じ作業です。

なお、イメージファイルは「DAEMON TOOLS」という英語のソフトを使えば、仮想DVDメディアとして、使用することが出来ます。

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